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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

A Study in Pink Audio Commentary その3

2018-03-26 21:17:28 | Sherlock S1E1 Commentary
気を取り直してコメンタリー続きです。


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ここの場面は照明の効果もあり、シャーロックが最高に美しいんです。
なのでマーティンとルパートさんの話をしていますがシャーロックの画像多めです。
元気出していきましょー。

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モ:マーティンとベネディクトは才能があること以外は正反対。
ベネディクトは俳優の「珍種」のような存在。
平凡な人には見えないしいつも変わった役を演じている。
Benedict is a magnificent exotic animal as an actor.
He doesn't look like a normal person; he rarely plays normal people.
He plays exceptional people.

「 exotic animal」は珍種なんでしょうけど「magnificent」がベネディクトらしいと
(勝手に)思うのでスルーしないでほしかったー、と今更。


でもマーティンは平凡な男をよく知っている。
彼のリアルな気難しさが大好きなんだ。
何テイク撮っても新鮮な演技を見せてくれる。
第3話で指の匂いを嗅ぎ消毒薬に気づく場面がある。
どのテイクも初めて知ったという顔をしていて驚いた。
But Martin finds a sort of poetry in the ordinary man.
I love the fastidious realism of everything he does.
I believe everything he does. It’s brand new on every take.
That sequence in episode 3 where he’s sniffing his fingers
and noticing the disinfectant and every time he did it –
I watched it in the rushes – I was thinking.
It’s like he’s genuinely noticed it every time’. It’s extraordinary.


ゲ:ジョン・ワトソン役の俳優を探すのはもう少し複雑だった。
ベネディクトは決まっていたから彼に合う相手が必要になる。
ここがキャスティングの不思議なところだ。いい俳優がやくさん来てた。
でも問題は相性だ。

「やさしい支配者」の話が出たね。
ジョン役の候補に素晴らしい俳優もいたけど
場合によっては「艦長ふたり」とか「艦長と兵士」みたいな状況になる。
それじゃ成り立たない。
モ:艦長に物を言える船医が必要。
ゲ:カーク船長とボーンズ。


モ:ある程度対等だけど艦長はひとり。
最初のジョン役の候補はマット・スミス。その後彼は「Dr.Who」へ。
ゲ:彼が去ったあと「シャーロック」っぽかったねってみんなで言ってた。

※マット・スミスはベネディクトのような役者さんですよね。
面白い・・・いえエキゾチックな顔立ちなのにだんだんとかわいく見えてくるんです。


(階段を上がる場面)
モ:マーティンとベネディクトが初めて読み合わせしたのを覚えてる。
マーティンが加わるとベネディクトはよりシャーロックっぽくなった。

(現場の部屋)
ゲ:ニューポートの住宅で撮影した。
この家を買いたかった。
エドワード調の立派な建物だけど壁に穴まで開けさせてくれた。
モ:ホームズファンへ情報。このネタは原作と逆にした。
「緋色の研究」では「RACHE」の文字を見つけて警察が「レイチェル」だと思う。
我々は「レイチェル」が正しくて警察が「復讐」だと思う設定にした。
どうなろうとシャーロックの言う事が正しいんだ。
ス:ドイツ人のバイヤーに見せたらドイツ語が出てくるから喜んでいた。
モ:コナン・ドイルはリサーチが怠慢だったから「RACHE」の意味も確認しておいた。
ゲ:日本の格闘技「バリツ」もでたらめだしね。
モ:知らなければ信じるよ。気をつけよう。


(アンダーソンが扉を閉められるところ)
アンダーソンかわいそうだな。

ゲ:舞台が現代だからと根拠もなくシャーロック・ホームズならPCを持ってると思ったわけではない。
実は原作でもホームズは現代的だった。19世紀の現代人。
頻繁に電報を打ったり受け取ったり給仕のビリーに手紙を届けてもらう、
後期の作品では部屋に電話もひいている。
だから彼をどんな情報にも通じた現代的な人間にしたかった。
紙の資料を使わない機械を駆使する男。
モ:インターネットはホームズ向き。原作では新聞の人生相談や個人広告をよく読んでいる。
きっとネットを徘徊してモリアーティの情報を得ようとするだろう。


ゲ:「ホームズの限界リスト」を見るとわかる。
彼の知識にはギャップがある。
僕が気に入っているのは「政治の知識ゼロ 天文学 ゼロ 通俗文学 膨大」
犯罪の知識に限らず大衆の記事を読んでいるから人々の暮らしに詳しい。
つまらない不倫や下品な情事などの知識が彼の身にしみついている。


ス:原作のレストレードは?このドラマではドジな役だけど・・・・
モ:特定の描写を参考にした。あまり登場しないし書かれ方がバラバラだから。
「六つのナポレオン」の彼が好きだった。
ストーリーの最後に彼がホームズに言う。
「君を誇りに思う。警察の皆が君と握手をしたがる。」
ゲ:ホームズは感激する。
モ:ホームズもワトソンも気づいていなかったが実はレストレードはホームズを尊敬している。
だから称賛したんだ。


ゲ:だがホームズはレストレードを「最も優秀な刑事」と言っている。ワトソンの事は「バカ」と言うのに。
つまり「最も優秀」だけど自分とは違う。ホームズがいなければ自分が謎を解くかもね。
モ:だからルパートを起用した。
オーディションで他の俳優は少しコミカルに演じていた。
「ルパートならレストレードを主役にできそうだ」と言ったね。
シャーロックが現れない時はレストレードのドラマを作ろう。
ゲ:ベネディクトが休暇とか。
モ:彼にとって退屈な事件をレストレードが解決するとか。
※見たかったなー、それ。でもピンチの時に少しだけこっそりホームズがサポートするとか。
モリアーティとの出会いとかハリーを出すとかレストレードが話していた初めて会った事件とかも見たかったな。


ゲ:ルパートは洗練されているけど泥臭くて男っぽい部分も持っているところが好きだ。
若いころ歴史劇で評価された俳優の割にね。
本物の刑事っぽい泥臭さがあるすごくハンサムなのに誰にもそう言ってもらえない男って感じ。
父親っぽさもある。子どもが4人いるせいか。


続きます。

最近ちこちでモーリスがリバイバル上映されているんですね。
観に行きたい衝動に駆られなくもありませんが・・・・
アナザーカントリーもそうですが昔観た時はまだ英国俳優というものを知らなかったので
何となく観ていただけですが今観たら鼻血吹きそう・・・