That's awesome

海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

閑話 最近のいろいろ

2014-05-11 00:44:35 | 閑話
バスカヴィルの前にちょっと近況?を。



前回も書きましたが「Many Happy Returns」の配信が始まりました。
これを観ると去年のいよいよ感を思い出して、またワクワクしています。
やっぱりこれを観ないとS2からS3への繋がりが弱くなってしまいますよね。
特にアンダーソン(笑)
S3本編でいきなり無職だわ、シャーロックの追っかけやってるわでワケわかりません。

去年書いた記事から画像を引っ張り出してきました。
このジョンの表情が本当にせつないです。。。
シャーロックはテレビ越しをさらにテレビ越しで観ているので写り悪いんですよね(悲)

思えばS1E1、ジョンとの初対面の時もウィンクしていましたが、
この時のウィンクはかなり表情もやわらかいですよね。
そして「Game is back on」
この言葉をここで持ってくるSherlockのスタッフはやっぱりすごいなーと。

今日、ライヘンバッハの再放送で、再来週24日はいよいよS3放送日。
当日はネット上、特にTwitterや巨大掲示板の実況は盛り上がりそうですね。


話は変わりまして、「Met Gala 2014」
今年のドレスコードは「ホワイトタイ」だったそうで、参加した男性陣はみなさん「正装」でしたが、
その中でもベネディクトの燕尾服は美しかったですね。
協賛しているVogueのアン編集長と「SATC」のサラ・ジェシカ・パーカーさんがインタビューで、
100%完璧だったのはベネディクトだけだと仰っていました。

だって似合うもん。品が良いんだもん。

ホワイトタイもかなり厳しくそして沢山のルールがあるんですね。
それを全てクリアしていたのがベネさんだけらしいですよ。さすが!
考えてみるとわが日本の民族衣装「着物」も正装となるとものすごーく細かいコードがあるし、
やはり名前のごとく正しい装いは大変ですね。

ところで、ベネさんは「Golden Nymph」にノミネートされましたが、
10年前のGolden Nymph受賞の時のフォーマルとの比較画像がネットでもかなり流れていました。
「ホーキング」の時ですが、私もいくつか画像を持っていたので作ってみました。

さすがに若いわ。この頃は若干「着られている」感がありますね。
いつもコメントをくださるYam Yam さんも「兄ちゃん」と言っていましたが、
今ではすっかり英国王室のプリンスな雰囲気になっています。


先日「8月の家族たち」をUPしたのですがそれを見た友人から、
「リチャードなのかチャールズなのかはっきりしてよ」と言われ、記事を見かえしたら
「リチャード」が途中から「チャールズ」になっていて慌てて修正しました。
何でだ?私(笑)

この映画を観た帰りはベネさんの歌がいい感じで頭の中でループしていたのですが、
夕飯を食べたお店でなぜだかアナと雪の女王の「Let it go」がずーっとかかっていたんです。
それこそオリジナルから松たか子バージョンまで。
この歌は本当に一度聞くと頭から離れない、恐ろしい歌なんです。
私の友人、知人、みなさん同じことを言ってるし、きっと誰もがそうなんでしょうね。
なので、その時点で頭の中のベネディクトはすっかり消え去り、しばらく「let it go」でした(涙)

このオリジナルはイディナ・メンゼルさんが歌ってるのですが、イディナさんの歌声大好きなんです。
アメドラ「Glee」でレイチェルの生みの母親役で出演されていて、
レイチェル役のリア・ミシェルの声も一度聴いたらやみつきになるくらいステキな歌声ですが、
2人が一緒に歌った時はイディナさんが圧倒的にうまいなーと感じました。
しかし、「アナと雪の女王」ものすごい動員数なんですね。びっくり。



最後に私の仕事のお話。
来週ポーランドで会議があるためGW前に私のボスの飛行機やホテルを手配したのですが、
先週、急きょ取引先など数人も追加になり再びホテルの手配をしようとしたんです。
ところが、どこも満室で全然とれないし、空きがあっても通常の4倍くらいの金額になってまして。
今の時期はフルシーズンなので毎年混む時期ではあるらしいのですが、
それにしてもこの週だけ異常に満室なんですよ。

来週何かイベントがあるのか?と現地の人や外務省のHPも見たりしたのですがわからずで。
そうしたら何とベネディクトのポーランド入りのニュースが入ってきてものすごくびっくり!
え?まさか、これのせい? だとしたらベネディクト効果凄すぎるんですけど(笑)
てか、こんな事なら誰かのスーツケースに忍び込むべきだったかしら。。。

ちょっとだけ近況でした。

Sherlock Series 3 Special Features その14

2014-05-09 00:34:00 | Sherlock S3SP
「THE FALL」


何と!NHKがニコ動で「Many Happy Returns」を配信してるんですね。
しかも字幕付きですよ。字幕!
「エピソード0 幸せな人生を」ってタイトルなんですが・・いえ、間違ってはいませんが何か微妙w
しかしなぜニコ動なの?BBCがYoutubeで配信したからマネっこ?
でもやっぱりS3本編の前にこれは絶対必要だと思うので嬉しいです。
これを観るとジョンの傷の深さがよくわかってせつないですが。

S3放送まであとわずかですね。
嬉しい反面、ちょっとビビりモードになってきてます。
「訳、間違ってるよ」コメントがものすごくいっぱいきたらどうしよう。。。
もちろんあちこちいろいろ間違っていると思うのでその際はどうかやさしく指摘してくださいね。
あ、でもやっぱり今のうち謝っておきます。すみませんでしたーー!

と、いうわけでグダグダと続けてきたSeries3も今回で終わりです。
最後まで怪しい邦訳でしたが、S4までにはもう少し勉強しておきたいと思います。(ホントか?)


ベネディクト。
「実を言うとすごく近いセオリーがいくつかあったんだ。ほんと、近いよ。
モリーの関与とか、スカッシュボールとか、ホームレスネットワーク。
みんなすごく抜け目ないよ。
全部繋ぎ合わせて実際に観てみると『ほら、やっぱりね!』ってなると思う。」

マークさん。
「我々がE1で試みたのは、すごく精巧なセオリーが世の中にこれだけあるという一種の実況なんだ。」

【Thery16、17】
E1でのアンダーソンのセオリーを受けてのレストレードのセリフです。
「A bungeerope, a mask, Derren Brown?
Two years and the theories keep getting more stupid.
How many more have you got for me today?」
(バンジーのロープにマスク、そしてダレン・ブラウンだって?
2年間でセオリーがさらにバカげたことになってるぞ。今日はあといくつ俺に聞かせてくれるんだ?)

マーティン。
「シャーロックはかなり知られているよね。彼が架空のロンドンにいる事も。
だから架空のロンドン市民も、『彼はどうやって助かったんだ?』って状況だよ。」

マークさん。
「我々は多くの真相をぼかした。
だけどその一方で最後にはしかるべき場所でシャーロックがアンダーソンに話した方法が
事実として一般的に広く認知されたんだ。
今や事実上、シャーロックのファンだというアンダーソンがそれを聞いて
『えー、ちょっとがっかり。』って言うんだ。
さらに『俺だったらそんなやり方はしないよ。』と言う。
だが、これらはとても優れていて私自身楽しんだし、決してありふれた説明ではないよ。」

そのアンダーソンとシャーロックの会話です。
A「No, I'm not saying it's not clever but...」
(いや、バカにしているわけじゃないけど・・・)
S「What?」
A「Bit disappointed.」(ちょっとがっかりしたんだ)
S「oh, everyone's a critic.」(みんな評論家なんだな)

モファットさん。
「自分が間違ってないと思っても突然正しいかどうか疑問に思ったりするよね。」
マークさん。
「する、する。」
モファットさん。
「つまり、シャーロックはシャーロックなんだって事をなぜ彼が伝えてるのか?」
マークさん。
「John Neville の『A Study in terror』という、切り裂きジャックが出てくる
シャーロックホームズのすごいドラマがあったよね。最後にファンタスティックな仕掛けがあるんだ。
シャーロックは切り裂きジャックが誰なのか明らかにしたんだけどネタバレはしないでおく。
そして彼は燃えさかる建物の中でAdrienne Corriと一緒に閉じ込められるんだ。
で、彼は信じられないことに逃げないんだよ。」
※これはエラリー・クイーン著書のいわゆるバスティーシュの話ですね。
ジョン・ネヴィルさんがホームズを演じていて、私も以前ちょっとだけYoutubeで観ましたが
ものすごく画質粗くてよくわからなかったです(笑)邦題は「恐怖の研究」です。

モファットさん。
「そしてベーカー街に戻った場面でワトソンが聞くんだよ。
『どうやったんだ?君、どうやって脱出したんだ?』
で、『何しろ僕は頑丈だと言われてるんだよ』とホームズが言う。それだけ。
言いかえれば『ヒーローとはそうしたものだよ』ってなる。」
マークさん。
「それで、我々はそれをポンと入れたわけだ。」

E1ラストのシャーロックのセリフです。
「You know my methods, John. I am known to be indestructible.」
(僕のやり方を知ってるだろう、ジョン。僕は頑丈だと言われているんだ。)

マークさん。
「我々は壮大な脚本にしようとしたんだ。そしていいところで、『こうやったんだよ』って言う。
さらにシャーロックが嘘をついている可能性は外した。我々と同じようにね。」
モファットさん。
「笑」
マークさん。
「今もだけど。」


ここで終わりです。
さすが最後はシャーロキアンらしい会話で終わりましたねこのふたり。
それにしても、最後のシャーロックのセリフがバスティーシュネタだったとは。
そして今回の特典の訳、本編以上に自信がありません(涙)
自分で書いてて意味不明だったところいっぱいあるのであまりこれを信じてはイケマセン。

そんなわけで、新年から始めて気づいたら5か月経ってました(笑)
「バスカヴィルの犬」途中で放ってしまったままですので、次から続きやります。
日本語版S3を観たらまたちょくちょく感想めいた事も書くと思いますので
またおつきあい頂けたら嬉しいです。



Sherlock Series 3 Special Features その13

2014-05-06 12:06:22 | Sherlock S3SP
「THE FALL」



昨日の明け方、すごい地震があってびっくりしました。
テレビでは東京23区が震度5弱となっていて2度びっくりしたのですが、
5弱は千代田区のみで私の住んでいるところは震度3でした。
それでも震源が近いので下から突き上げるような揺れでしたけどね。

続きです。


Steve Lawes @ Photography Director
「朝天気が良くて、夜に雨が降ってもコンテを撮り続けるよ。満足できるベースを決めないといけないから。
明日は晴れるみたいだから地面を濡らさないといけない。今日撮影したものとマッチするようにね。
時々、ほんのわずかだけど空気中に雨が混ざるんだ。
うまく切り抜けられるか、何ができないか言わば精通していないといけない。」

Sue Vertue
「屋外で撮影すると秘密を保持するのがとても難しいの。
私たちが人形にフェイスマスクを被せたときに記者の1人が言ったの。
『スタントはとても危ないから人形を使うんだね』
彼らは細かい情報を繋ぎ合わせて全貌を知ろうとしてるけど何が本物かそうでないか、
見分けることができないのよ。誰かがロープで降りてくるのを見て命綱のあるスタントなのか、
落下から生き残った方法なのか見分けられないの。」

マークさん
「これはシャーロックの復活について書かれた新聞だよ。」

モファットさん
『Benedict Jumper-batch』

マークさん
「いいね。」
モファットさん
「うん、好きだな。すごくいいよ。」
マークさん
『Sherlock, don't be a dummy』
モファットさん
『Sherlock's a fall guy』
「どっちが上手かな。」

マークさん
「これの役立つところはスタントを撮影するためにはベネディクトにいろんな装備を取り付けて
落下させなければいけないという事だ。
そして明らかに人形を使ったスタントでやらなければならないし、実際どれもおかしくはない。」
モファットさん
「ビルから誰かをほうり投げるふりをして、誰も死んでいない事を確認しないと。」
マークさん
「そうだね。」
モファットさん
「最後の日でない限りは構わないよ。」

マークさん
「本命の撮影のリハーサルをしていたんだけど、撮影を始めたらすごい雨が降ってきて、
ベネディクトはワイヤーで吊り下げられていたから傘を持って行ったんだ。
そうしたら突然おびただしい数のストロボが一斉に光ったんだ。Ohって感じだったよ。」
モファットさん
「昔の空を飛ぶ傘のトリックだね。」

マークさん
「本当にメリーポピンズのようだったよ。幻想的だった。」
「ベネディクトはとても熱心に全てのスタントをこなした。
そして本当に自分から思い切り飛び降りたんだけど
『ベネディクトはとても動揺していると内部の人が言っていた。』とみんなが言うんだ。
まったくフェアじゃないよ。」
モファットさん
「内部の人っていうのは大体間違ってると気づいたよ。」
マークさん
「うん。」
モファットさん
「そして記事を書く連中と同じ事を考えているんだ。独自の方法でやっているだけなのに。」
マークさん
「内部の人って誰?彼らがこの事を創作したって君が言った時、彼らって誰?って思ったんだ。
多分存在するんだね。」
モファットさん
「実際にいるんだよ。」
マークさん新聞を読み上げます。
「『No hit, Sherlock. It's magic!』ダレン・ブラウンがマーティンに魔法をかけたようだ。」

モファットさん
「そう、マーティンだからできたんだ。
彼はとても有名な映画スターだから、彼の選んだ有名人による額のマッサージが必要だったんだよ。
合理的だと思うよ。」
マークさん
「マーティンはあの日とても疲れていたのが真相だけどね。」
モファットさん
「そうなんだよ。」
スーさん
「私たちは少しだけちょっとした偽装をしたの。本当に楽しかった。
言及されるようなことはまったく起こらないよううまくやったわ。」


Jeremy Lovering @ S3E1 Director
「スクリプトを読んだとき、それを見る場合と同じように2分もかからずに説明が得られるんだ。
そして明らかにこう思うんだ。『Oh my God、彼はこのようにやったんだ。すごいよ。』
それからバンジージャンプで『これは本当なの?』って思うよ。
文書を見ると偽装がたくさんあって、基本的には彼がどうやってやったか、或はやらなかったって事なんだ。」

E1ラストの場面です。
John「Sherlock, you are going to tell me how you did it?」
「How you jumped off that building and survived?」

「シャーロック、どうやったのか教えてくれるよね?」
「どうやって屋上から落ちて、助かったんだ?」

今回(も、ですね)あまりうまく訳せなかったです。すみません。。。
続きます。

8月の家族たち

2014-05-04 17:40:22 | 映画+Benedict Cumberbatch
原題:August: Osage County(2013年)

Director: John Wells
Writers: Tracy Letts


Sherlockの続きの前に忘れないうちに書きます。
行ってまいりました、日比谷シャンテ。
かなり満席だったと事前に教えて頂いていたので2日前にTOHOで事前購入しましたが、
小さい映画館とはいえやはり満席だったので購入しておいてよかったなーと。

今回は女友達3人で行ってきました。
いつもお付き合いいただいている観劇好きのMiちゃんはもちろんOK、
STIDからつきあってもらっているRちゃんはThird Starで懲りたようで(笑)
しばらくご一緒していなかったのですがこの映画はテレビでもかなりCMしていたらしく
「観たかったの」というお言葉をいただいたのでベネディクトが出演することはあえて言わなかったのですが、
ベネさんが登場した途端、隣の席からすごい視線を感じました(笑)いや、騙してないってw


そんなわけで女3人、それぞれ思う事のあった映画でした。
あらすじと感想を書いてまいります。

あらすじのあとはネタバレになりますのでご注意ください。


この映画の製作にはジョージ・クルーニーもクレジットされているんですね。
タイトル通り家族の話なのですが人物相関がちょっと複雑だったので、
これを把握しながら観るのは結構大変だったです。


まずはこの映画の中心となるメリル・ストリープasヴァイオレット。
メリル・ストリープは本当に凄かったです。
怪演とも言えるその演技にひたすら圧巻されました。

そしてヴァイオレットの娘たち。
長女のジュリア・ロバーツasバーバラ、次女のジュリアン・ニコルソンasアイビー、
そして3女のジュリエット・ニコルソンasカレン。

ヴァイオレットの妹、バーバラの伯母にあたるマーゴ・マーティンデイルasマティ・フェイと
夫のクリス・クーパーasチャールズ、息子のベネディクト・カンバーバッチasリトル・チャールズ。
リトル・チャールズはバーバラたちの従兄弟にあたります。

長女バーバラの別居中の夫にユアン・マクレガーasビル、娘のアビゲイル・ブレスリンasジーン。
3女カレンの婚約者、ダーモット・マローニーasスティーヴ。

ヴァイオレットの夫、バーバラたちの父親にサム・シェパードasベバリー。
この方どこかで見た事あると思ったらライトスタッフのイェーガーさんでした。
最後に、家族ではないけでベバリーは雇い入れた住み込みの家政婦、ミスティ・アッパムasジョナ。


そしてあらすじです。
ベバリーによるT.S.エリオットの詩の朗読から始まります。
この詩は「The Hollow Men」邦題「うつろな人間たち」なんですが、ちょっと調べてみましたので
あらすじの後に書きますね。

オクラホマに暮らすアルコール依存症のベバリーは癌を患ったヴァイオレットの世話をしてもらうため
ネィティブアメリカンのジョナを雇い入れます。
それを知ったヴァイオレットは彼女を「インディアン」と言って嫌悪します。


そして8月。
ひとり地元に残っていたアイビーからベバリーが失踪したと知らせがあり、
バーバラ家族と伯母夫婦がオクラホマに集まります。

強い薬を常用していてフラフラのヴァイオレットはオクラホマを離れていったことで
バーバラを責め、家庭の事で問題を抱えるバーバラはイラつき、ふたりは衝突します。

ベバリーの死体が湖から発見され、葬儀のためカレンとその婚約者、
伯母夫婦のリトル・チャールズもやってきます。

お父さんがバス停まで迎えに行くのですがなぜ死にそうな顔をしているかと言うと
寝坊して葬儀に間に合わなかったんですね。
それでごめんなさいと謝っている息子と「髪の毛くらいとかせよ」と櫛を貸しながら
慰めるお父さんでした。

本音のぶつかり合い、そして探り合いの中、それぞれ抱えている問題が少しずつ明るみになっていきます。

バーバラは夫の浮気が原因で別居中、娘はちょっとグレ気味。
地元に残ったアイビーはヴァイオレットやマティ・フェイから化粧しなさい、男を作りなさいと
あれこれ言われながら実は現在秘密の恋愛中。
カレンは婚約者を連れて幸せそうですが、この婚約者結婚歴3回、仕事も怪しく、
果てはジーンにマリファナを教えようとする危ない男。
マティ・フェイの息子、リトル・チャールズは世渡り下手で現在無職のだめんず。

そんな家族たちの裏に隠された秘密が明るみになり・・・・。



ここからネタバレになります。


ヴァイオレットの薬物依存にブチ切れたバーバラは家中の薬を全て破棄し、さらには過剰処方した医師の元へ行きます。
医師は「軽い認知症の症状がある。クスリの常用が原因と思われる。」と診断します。

カレンの婚約者スティーヴはその夜、庭でジーンにマリファナを与え挙句は服を脱がせようとします。
その様子を見つけたジョナはスコップでスティーヴを殴ります。
騒ぎに気づいたバーバラとビル、そしてカレンも庭に出てきます。
ジョナが事情を話すとビルは怒り、バーバラはジーンを叱りつけ頬を叩きます。

ジーンを責めたりしないけど彼女にも責任はあるわよね。
バーバラにそう言いながらカレンはスティーヴと家を出て行きます。
そしてビルとジーンも翌朝家を出ますが、帰る先はバーバラの元でく別居を続けると言います。

アイビーの相手は従弟にあたるリトル・チャールズでした。
ふたりは数日後NYに行く約束をしています。
葬儀の夜の夕食会で意を決したLチャールズがアイビーとの関係をみんなに公表しようとしますが、
アイビーに止められます。その場では公表しなかったものの何かを察する家族たちです。



そんな中、リビングでふたりきりになったLチャールズがアイビーに歌をうたう場面が
あの「Can't Keep It Inside」By ベネディクト・カンバーバッチです。
この場面、何度も予告で観ていましたがスクリーンで観るとまた一段と・・・・自重自重(笑)

マティ・フェイ役のマーゴさんがインタビューで、
この場面ベネディクトは本当に頑張ったんだと絶賛しておられました。

そこにマティ・フェイがやってきます。
彼女は無職で頼りないLチャールズを責めますが、そこに元祖チャールズもやってきて
そんなマティ・フェイを怒ります。

「お前たちはみな、ベバリーに対する敬意がない、他人に対しても同じだ。
結婚して38年、Lチャールズが生まれてうまくやってきたが、
これ以上を息子を蔑ろにするなら39年目はないと思え!」ちょっとうろ覚えですがこんな感じ。
いつもマティ・フェイの尻に敷かれているようなチャールズですがやるときにはやります!
そうは言ってもLチャールズの頼りなさっぷりはヤバいです。
ヴァイオレットがさらっと「アイビーは負け犬に弱いからね」と言う場面がありましたが、
流石ママはわかってらっしゃる。

マティ・フェイはバーバラにアイビーとLチャールズの仲を止めてくれと言います。
実はLチャールズはではなくベバリーとの間に出来た子供、
つまりLチャールズはアイビーの異母弟なんだと告白します。おお!そうきたかーの展開です。
そして伯母家族もいったん引き揚げます。

事実を知ったバーバラはヴァイオレットにNY行きを話すというアイビーを止めます。
でも事実を教えるわけにはいかないので、会話の途中を割って入ったり挙句は朝食のお皿を投げ飛ばしたり
かなり暴挙に出ますが、「実はチャールズと・・・」と話し始めるアイビーに、
「そうなの、あんたの弟なのよ」とヴァイオレット。彼女は全て知っていたんですね。
驚くバーバラとアイビー。
事実を知ったアイビーは傷つきながらも「NYには行くわ」と家を出て行きます。

更にヴァイオレットはバーバラに打ち明けます。
ベバリーはその事で悩んでいたけど自分が知っている事実は教えなかった、優位に立ちたいから。
ベバリーが失踪した時に居場所を記した書置きがあった、そのホテルに電話してくれとあったが、
お互いに何かあった時のためにと財産を預けていた貸金庫を開けることを優先したヴァイオレットが
その後で電話をしたが、既にベバリーはチェックアウトをしておりその後死体で見つかった事。

ヴァイオレットは幼少の頃とても貧しかった事や、
彼女の母親からかなり意地悪をされていた過去がありました。

「自分たちのように生きてくるとお金が大事だと思うのよ。」
ヴァイオレットはそう言います。

ベバリーの死の真相を知ったバーバラは車に飛び乗り家を飛び出します。
ひとり残されたヴァイオレットはジョナの部屋に行き彼女に縋り泣きます。

バーバラは途中車を停めオクラホマの景色を見ます。
そして意を決したようにある方向へ車を走らせます。

ここで終了です。


ラストは観客の捉え方にまかせるようなちょっとぼかした最後になっていました。
この映画のあと、私たち女3人でディスカッションした話を踏まえてちょっと考察です。


まず、
Lチャールズがオクラホマに来る前、まだベバリーが失踪のレベルの時だったと思いますが、
Lチャールズは無職なのよ、どうしようもないわよとマティ・フェイの話を受けて、
ヴァイオレットだったと思うのですが「あのこはチャールズではなくベバリーに似ているわ。」と言っていました。
その会話で既に友人Miは「Lチャールズはベバリーの子供だ」と気づいたそうです。
Miちゃん、かの「シックスセンス」の時もかなり早いうちから「死んでいるのはブルースウィルスの方だ。」
と気づくくらい勘の良い人で、まったく気づかなかった私たちはホントにびっくりでしたが、
事実を知った時にあの驚きを体感できないMiちゃんは少し損していると思います(笑)

なぜベバリーは浮気したのか。
気性の激しいヴァイオレットからちょっと逃避したかったのかもしれません。
なぜ相手がその妹だったのかと言うと、閉鎖的な土地に住んでいたからでしょうか。
これミスティックアイズの時も同じような事が起こっていて閉鎖的な土地って怖いと思いましたが。

もしかしたらチャールズは種なしで、その事を妻に隠していたのかなーと。
だから妻が妊娠した時その事実に気付き、だからこそ溺愛したのかしらね。

アルコール依存の父親と薬物依存の母親を見て育ったバーバラは、
必要以上に堅物になり人に厳しくなってしまいます。
そして、夫ビルの浮気もそんなバーバラからの逃避だったのでしょうか。

最後のヴァイオレットの告白を聞いてバーバラの呪縛がとけたように思います。
母のようになりたくないと家を出て違う人生を歩んでいたバーバラですが結局は同じ末路を辿っていると、
気がついたからこそ、車の方向を変えたんでしょうね。
行先は、おそらくビルの元だと思います。

そしてこの物語の影の軸にはT.S.エリオットの本でした。
冒頭で「ゆっくり読みなさい」とベバリーから譲り受けたジョナ。
最後、ヴァイオレットがジョナを呼ぶ場面でジョナが読んでいた本がそれなんですね。
ベバリーはその本を通じてジョナに何かを託したのではないかとMiちゃんの考察でした。
私も同感です。

さて、ここでベバリーが朗読した「うつろな人間たち」と一部を記載します。
(※水野幹夫さんの「ことばのレシピ」から引用させていただきました。)

我らはうつろなる人間
我らは剥製の人間
藁の詰まった頭をもたれかけあいながら
風に吹かれる干草のように
地下室の床、壊れたガラスの上を走るねずみの足音のように
囁き交わす乾いた言葉に意味はなく

形無き輪郭、色無き影
項垂れた力、動き無きジェスチャー

まっすぐな目をして彼方の死の王国に渡ったひとびとが
よしんば我らを覚えていたとしても、
それは荒ぶれた魂ではなく
うつろなる人間
剥製の人間としてであろう

We are the hollow men
We are the stuffed men
Leaning together
Headpiece filled with straw. Alas!
Our dried voices, when
We whisper together
Are quiet and meaningless
As wind in dry grass
Or rats' feet over broken glass
In our dry cellar.

Shape without form, shade without colour,
Paralysed force, gesture without motion;

Those who have crossed
With direct eyes, to death's other Kingdom
Remember us -- if at all -- not as lost
Violent souls, but only
As the hollow men
The stuffed men.

そして村上春樹さんの「海辺のカフカ」にも引用されていました。
「うんざりさせられるのは想像力を欠いた人々だ。
T・S・エリオットの言う「うつろな人間たち」だ。
その想像力の欠如した部分をうつろな部分を無感覚な藁くずで埋めて塞いでいるくせに、
自分ではそのことに気づかないで表を歩き回っている人間だ。
そしてその無感覚さを、空疎な言葉を並べて、他人に無理に押しつけようとする人間だ」

体裁を繕っただけの人生を歩んできた家族たちがオクラホマに集結し、
事実をつきつけられ、再び離れていく。
家族たちはどこに向かうのか、果たしてどんな結末が待っているのか。
そんな映画だったのかなーと思います。

それにしてもベネディクトは発音を変えていたり姿勢も猫背になっていたりで
相変わらずそ役を体現していました。

↑しつこい?

この映画、本当に女優陣が強力なので男優の影が薄かったです(笑)
そんな中で、もしあの中ので誰か男性を選ばなければいけないとしたら誰にするか?
と話しになった時満場一致でチャールズ(お父さんよ)でした。

考察の余地がたくさんある深い映画だったのでとても一度観ただけでは理解できなかったです。
機会があったらまた観たいですね。

Sherlock Series 3 Special Features その12

2014-05-01 16:21:51 | Sherlock S3SP
「THE FALL」


先日、小説新潮のBSプレミアムのシャーロックS3放送の特集で、
プロデューサーや翻訳家などのインタビューを読んだのですが興味深かったですよ。
ここのところ立て続けに出ている雑誌の中では一番面白かったです。
(まだ全部読んでないけど・・・)
やっぱりSherlockの翻訳は通常のドラマより時間も手間もかかるようです。
言葉遊びも多いしなにより正典から引用されているセリフもかなりあるので、
きちんと確認しながらやり、更にそれを日本向けにアレンジするそうです。

やっぱり素人の付け焼刃翻訳と違ってちゃんとしてますね。
私なんてほとんど何も考えずに直訳してるだけなんで(汗)

放送日が近づいてきましたね。
私はきっと邦訳を見て、この記事を踏まえながら恥ずかしさにのたうちまわると思います。(笑)
そしてもし次にSherlocik関連で訳をUPするときはその辺もちゃんと勉強してからにしようと、
とりあえず決心してみるものの、多分無理です(笑)


続きです。

【Theory14】
「シャーロックが落ちたところはプレートかコンクリートでできたスラブのようなものがあって、
その下はネットになっているんだ。だから彼は大丈夫だったんだよ。
ジョンが起き上がった時、モリーか彼女の友人とかが歩道にプレートを戻したんだよ。
シャーロックは伏せていてたくさんの血が広がっていたから仕掛けはもう見えなくなっていたんだ。」


マーティン。
「もしみんなが現実の死や殺人に多くの時間を費やしていたら、
僕たちは2週間で全てを解決するよ。
みんな本当に彼がどうやったか知りたがっていたんだから。」


モファットさん。
「みんな『ライヘンバッハの滝』を観たら楽しくて夢中になってるよ。
そこにはシャーロックがやった事に特定の方向を指し示す要素があるんだ。」

マークさん。
「明らかにそれは可能でなければばらないよ。」
モファットさん。
「我々もちゃんとした正当な説明が必要だという事に気が付いたから、役にたったよ。
エキスパートが参加している舞台であれほどの騙しをどう成功させる?」

マークさん。
「コンサルタント能力があるシャーロックの自殺専門家たちがいるからね。
諮問自殺専門家だよ(笑)」
モファットさん。
「諮問自殺専門家・・・」
マークさん。
「彼はベーカー街2222に住んでいるんだ。」
モファットさん、爆笑。
マークさん。
「まさに最上階だね。」

Jeremy Lovering @ S3E1 Director
「シャーロックがバーツの屋上から飛び降りた時ジョンはアンバランスステーション
(救急車の車庫のような建物です。)の陰にいたんだけど、誰もが彼は死んだと思った。
我々はそうではないと知っているけど。
このエピソードではそれについていくつかの説明をするんだ。
昨日、そのうちのひとつを撮影したんだけど、それはファンの頭の中にある説のひとつだ。
(妄想ってことでしょうか笑)」→

→「今は3つ目の撮影をしていて、それが正解になるんだ。
彼はエアバッグの上に落ちるんだけどジョンはその間アンバランスステーションの陰にいるから見えないんだ。
そしてエアバッグはすぐに遠くへ運んだんだ。
ひとつ目のはフェイクだよ。
バンジージャンプをして、戻った反動で窓を通り抜けるやつだ。」

Steve Lawes @ Photography Director
「別にカメラを3台用意しているんだ。今日は2つの大きなスタントをやるからね。
4台で撮影するよ。違うアングルでいくつも撮ってハイスピードカメラも使う。
今日はほとんどスタントなんだよ。


ここでアクションの声がかかりウィルさんがエアバッグに飛び降りる場面になります。
Will Willoughby @ Sherlock Stunt Double

「完璧だよ。
あの高さから確実にやるからまず彼の代役がどんな方法でやるか確認するんだ。
自分のためではなく、できるだけベンが安心してできるようにしたいからね。」

監督さん。
「まずはスタントマンがやってみて、ベネディクトが不安なくできる方法を使うんだ。

ベネディクトが実際に飛び降りる場面。
ウィルさんが「大丈夫だった?」と声をかけ、「大丈夫。」とベネディクト。

Toni Staples @ Assistant Director
「彼、ドキドキしていたわよ。脈を測ったのよ。屋上に行ったからまたやるの。」
再びベネディクトが飛びおりる場面。
「肩を正面に向けて落下するときは右足を少し前に出すんだ。」とアドバイスされています。


Jean-Claude Deguara @ VFX Supervisor
「CGIを使う撮影の予定はないんだ。
大部分はカメラで捕えるつもりだけど取り出しや挿入が必要になるかもしれないからここにいるんだ。」

Matthew Mcdougal @ Compositor
「彼が落ちたときに建物の表面に見えるバンジーコードのシーケンスは
実際の場面からワイヤーを消してCGのバンジーコーに置き換えるんだ。
シャーロックが映っていないビルの画像を撮ってワイヤーを塗りつぶし、
ベネディクトに重ね合わせる作業をしてCGのバンジーコードケーブルがついた画像に置き換えるんだよ。
バンジーコードは完全にフェイクのCGで本物に見えるように織り目なんかを入れて本物に見えるようにしたんだ。」

Deguaraさん。
「シャーロックのすごい部分はほんの少し強化をしながらカメラですべて捕えようとするところだ。」

Mcdougalさん。
「ベネディクトが窓を通り抜ける一連のショットはグリーンスクリーンの前で撮影したんだ。
最初のショットはスタントマンを使ってシュガーグラスで出来た窓を通り抜けたけど、
ガラスとよく似た効果が得られたよ。2度目にベネディクトを撮影した。
ガラスの破片を実際に彼のジャケットや髪の毛においてスタジオにある窓を通り抜けた。
そこで実際に彼とやりとりしたんだ。
最後のショットを編集する時、ベネディクトが本物のガラスを通り抜けるように見せるために
本物の窓ガラスを壊したんだ。」


続きます。