漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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母性は本能プラス経験・オランウータンから学ぶ

2009-10-14 | 産後・子育て
今回はオランウータンが登場です。(不思議にこのとろろサルづいている)

先日の連休は札幌で研修会(全国 中医薬研究会女性大会)に出席し、
第一講演は旭山動物園園長:小菅正夫氏でした。
動物世界の生殖や育児の様子は学ぶことが多いです。

サルたちを分類して「ヒト上科」というのがあります。
ヒト上科には、
 テナガザル科・テナガザル
 オランウータン科・チンパンジー ゴリラ オランウータン
 ヒト科・ヒト   (ほかの分類方法もあるようです)

そこでオランウータン登場です。



上映フィルムで観たのは、旭山動物園で
出産を終え母となった「はず」のオランウータンの姿。
自分のおなかから出てきた「もの」を見てショックを受け、
麻袋を頭から足まですっぽりかぶって打ちひしがれています。

飼育員が入っていくと麻袋を脱ぎ捨て
「私の中からこんなものが出てきちゃったの、どーしよー
と言っているかのように彼の腕にすがります。

つまり、「生まれたら即育てる」はヒトの本能にはないのです。
(ヒト上科ではないサルは本能で育てるそうです)

飼育員がなんども母親の胸に赤ん坊を持っていき、触ろうとしない彼女の手を子供の背中にあてがっておっぱいを吸わせるように支えます。
(ヒト科の赤ん坊は生まれてすぐお母さんにしがみく力がありません)

一方、赤ん坊がおっぱいを吸おうとするのは本能です。

やがておっぱいを吸うことに赤ん坊が成功すると、その時やっと彼女の「育てる本能」にスイッチが入りました。

北大植物園にいた猫

その後の「母」オランウータンは、片時も赤ん坊を胸から離さず、手のひら足のひらを使って赤ちゃんの背中をささえ、自分の体をふわ~っと揺らしてゆりかごをしてました。

オランウータンは群れで暮らしていると自分の出産期を迎えるまでに五回くらいはほかのメスの出産や育児を目にし経験するのだそう。
しかし動物園などではその経験ができないためこのような状態になる。

核家族化の現代、人間もそんな状態に陥りやすいかもしれませんね。
だから産むことに心配が先に立つ。
だけど、産んでみる、授乳してみる、ひとつひとつの経験によってやがて育児という無償の愛に目覚めていくことになるのでしょう。

もうひとつ、ほかのサルとの違いは、「笑う」だそう。
確かにオランウータンは、「むふ~」って感じでいかにもうれしそうな幸せそうな笑顔をしてました。


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