「破滅の王」以来、上田早夕里さんの作品にはまり、
「魚舟、獣舟」「華竜の宮」「リリエンタールの末裔」そして「深紅の碑文」まできました。
これらは内容がつながっていて「オーシャンクロニクルシリーズ」と呼ばれています
地球が異変を起こして海底が盛り上がり、海面が今よりも260mも上昇した25世紀。
陸地が減った人間は、海で生活できる人間を遺伝子操作で作っていた。
陸に生きる人間と海に生きる人間もどき。
そしてさらに数十年後には、「大異変」が起こるという予想が・・・
それはマグマが広範囲に吹き出しその後太陽が見えない暗闇と化し、一機に氷河期に入りほとんどの生き物が死滅するという。
少しでも生活物資を確保しようと焦る人々に争いが絶えない。
政府は人口を減らそうと考え、争いを抑えない、出産を制御する、悪質な生物兵器、殺戮AI・・・
企業を起こして人を救おうとする人、家族や仲間のために敵を殺しつくそうとする人、ノアの箱舟的な宇宙船を飛ばして未来に希望をつなごうとする人・・・
いろんな人々の思いが詳細に描かれ、長編です。
戦争、難民、救助団体、病気の蔓延、政府の思惑、兵器の開発、宗教支援、遺伝子操作、AI、
いつになってもそれらが人間という生き物の性みたいです。
SF愛好家たちに人気というのも納得です。