漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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ボストン・テラン著「その犬の歩むところ」アメリカの心の痛みと犬の力

2017-08-31 | 
その犬の名はギヴGIV 傷だらけなのです
もうそれだけで、犬好きには避けて通れない小説です

だけどこの物語は、アメリカという国に暮らす人々の心の痛みをたっぷり描いています

戦争で家族を失った女
傲慢な父親とその子供 兄弟の諍い
9・11で姉を失い志願して戦争に向かい仲間を失った男
超大型ハリケーンのカトリーナの中、隣人のペットを探して命を落とした少女
大規模の山火事に巻き込まれた子供 などなど

愚かな争いに自らを傷つける人間たちに寄り添うことを選んだ犬
虐待も受けたのに、人間をあきらめない 生きることをあきらめない

神は世界を、人間とそのほかの生き物に分けたそうだが、
その時に犬は、人間側に飛び移ったのだとか

心に強く残る作品でした
原題は「The Story of a dog and America」


ボストン・テラン(Boston Teran)本名・生年非公表 作家としての活動は1999年から
アメリカ合衆国のイタリア系アメリカ人作家。ニューヨーク市サウス・ブロンクス生まれ
覆面作家ですが、女性ではないかということです


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