漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

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森絵都著「この女」阪神大震災前日までの物語

2015-01-12 | 
久しぶりの森絵都さん。これはめっちゃうまい、って感じがしました。
関西弁の会話が二人の若者の気持ちを繊細に温かく表現しています。


どや街に暮らす若者礼司。
友人大輔の紹介で、大阪のホテルオーナーの若妻「結子」の自叙伝を書く様依頼される。
破天荒な結子に振り回されながらも、礼司は丁寧に彼女と向き合い、どや街の人たちとも深く付き合う。そんな礼司の青春が心に沁みます。

どや街ではこれを一掃してカジノにしようという計画が持ち上がり穏やかならぬ危機感。一方小説の仲介をした大輔は留守がちになり、なにやら宗教にはまっていってる様子で会話がかみあわなくなっていく。

小説の舞台となっている1994年は、羽田内閣があっという間に解散し村山内閣が発足。社会党と自由民主党が手を組むという激動の年。長野では松本サリン事件が起こった。

年が明け、最後に結子は礼司と東京へ行こうと決め準備も整ったのに、どや街を引きずる礼司の気持ちがなかなか二人を大阪から旅立たせない・・・

1995年1月17日 阪神大震災がおこる。



森 絵都もり えと、1968年生まれ 東京都出身

森絵都作品覚書


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