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臓器移植のドナー

自営業なので国民健康保険、その被保険者証に「臓器提供意思表示欄」が設けられている。




もちろん、記入するかしないかは本人の自由。

臓器移植法が改正され、脳死移植が増える中、貴重な意思表示の機会である。


従来のドナーカードと同様、誤解している人も少なくないと思うのだが、けっして提供意思の
ゴリ押しではなく、「提供しない」ことの意思表示の機会でもあるのだ。





自分としては、こんな体で良かったら、と思うのだが、肝臓だけはさすがにあげられない。

他はたぶん役に立つ、と思うけど。







臓器提供するしない、は本人の意思が最大限尊重されるのは当たり前の事として、いずれに
しても死後のこと。

脳死下、もしくは心停止後の状況に於いても喧々諤々色んな考え方、思いがある。

なんてったって自分自身の身体、そして家族の意思もきっとそこには大きく存在する。






そんな事を考えていると、やっぱり生体移植のドナーさんも凄いなぁ、と思う。

死後の提供でさえ躊躇するのが本心だろうと思うけど、いくら身内の為とはいえ、自分の健康
な身体にメスを入れるのって、どれだけの勇気がいるのだろう。本当に凄い。


自分の、一連の、移植に至る、説明からドナーの適合検査、摘出手術、術後の療養、その間の
心の葛藤、人と人、家族同志、家族と医師・看護師、それらは本当に修羅場だ。

今振りかえってみても、あれが本当に現実だったのか、と恐ろしくもなる。







脳死の是非には色んな意見があるけれど、少しでも脳死移植が増えてくれれば、生体移植の
ドナーというなんとも微妙な位置に立つ人が、一人でも減ることだけは確かだと思う。
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