青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

どてらい男 ~ 関西おまけ文化

2020-12-13 | 青春・名画劇場

最近関西人について、いろんな本にいろんな事が書かれています。しかし当たり前ですが、全てが本当とは言えないと感じます。中には「本当に取材して書いたのか?」というようなことまであるのです。

関東で「マック」と呼ばれるマクドナルドを、関西では「マクド」と言う。これは確かです。しかし関西人はケンタッキーフライドチキンを「ケンチキ」とは言わない。普通は省略して「ケンタッキー」と言う。ケンチキと言う人は、これまで1度も見たことがありません。「ファーストキッチン」を「ファーキ」とも断じて言いません!ファーストキッチンはそもそも関西では、残念ながらそれほどメジャーではありません。「ケンキチ」も「ファーキ」も、「関西人の謎」と題名が付けられた本に書いていることですが、一体どこで取材をしているのか。



年代によって、同じ関西人でも相違点はありますが、関西以外の人から見た関西人は、面白い存在です。それだけは確かです。(笑)今日は愉快な関西人の「オマケ文化」について書かせてもらいます。

大阪では、粗品を付けたりサービスして、お客に得した気分を味わってもらう「オマケ文化」が根づいています。このオマケ文化の礎を築いたのは、大阪に本社を構える江崎グリコの「グリコのおまけ」です。1927年、グリコのキャラメルを売り出すときに、小さなおもちゃを付けたのが始まりで、子供達に大ヒットしました。

これを取り上げて、商売人が「負ける」からオマケと・・したり顔でこう語り、大阪人は値引きを得意にするという評論家が多いのですが、これは誤りです。値引きを大阪商人が、上手く使うのは事実です。しかしなぜ「オマケ」と言うか?それはお客が負けるから「オマケ」なのです。グリコのオマケもそう。予め値段に、玩具の代金は入っています。サービスで付いているわけではありません。大阪商人はしたたかです。商人が負けたと思わせ、その実、負けているのはお客様なのです。


山善創始者 故山本猛夫氏

この話は僕が、花登筺原作の大阪商人の物語「どてらい男」のモデルになった、株式会社山善の創業者・山本猛夫氏から生前に直接聞いた話です。「オマケはするけど、お客さんに負けたと言わせるから、オマケなんや。値段引いて売るんやったら子供でも出来るわ。商人が負けてどうすんねん?」

若かった僕の営業ノートには、氏の言葉がハッキリと残っています。

「どてらい男」・・・DVD化が求められながらも実現していませんが、フジテレビ公式FODや、アマゾン・プライム・ビデオでの配信がスタートしました!