青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

初めて買った “僕の” ステレオ

2020-12-30 | 昭和・思い出は色褪せない

今の若い人の中には、Youtubeから無料でダウンロードした音をイヤフォンで聴いて、趣味が音楽鑑賞だと言う人がいます。それを履歴書に書く。僕は大学での就活指導で、それは趣味ではなく、「暇つぶし」だと教えています。

僕らの若い時は、ステレオでお気に入りのレコードを友人たちと聴くのが普通で、アルバイトで貯めたお金で、少しでも良いオーディオ装置を求めたものでした。僕は最高で400万円くらいのシステムを組んだ時代がありましたが、今は140万円ほどのシステムで、レコードを楽しんでいます。レコードは聴き疲れもなく、心地よく耳に馴染みます。

「音楽エンジニア」になると言い、東京に出て夢を果たした友人がいます。高2の時に、「そんなにお金をオーディオに費やすのはなぜ?」という僕の質問に、彼は「俺は原音を追及してる」と答えてくれたのを、今もずっと覚えています。彼は数々の功績を残し、夢を実現しました。

学生時代ヤマハでアルバイト、ヤマハのポプコンで全国を回り、TUBEやzardのレコーディングやコンサートの音響を担当をする会社を興し、プロミュージシャンを目指すアマチュアのための学校の講師も務めた別の友人も、同じようなことを言っていました。

僕は難しいことは分かりませんが、目の前で歌っているかのようなボーカルの音を求めています。毎日レコード1枚を聴き、音楽を楽しみながら、同時にその時間を英語の歌詞を聴き取る訓練としています。ゆったりとリラックスできる時間は大切です。

いつから音楽は一人で引き籠るかのように聴くものになったのでしょう?真逆では、大勢のパーテイのBGMとして、とにかく一晩中流すだけの為に、ラップが生まれました。僕にとっては、音楽はゆったり友人と楽しむもの。一人で聴く時代になってしまったから、時代を代表するような曲、子供から大人まで知っている曲が失われたと考えています。今では僕らが「恋の季節」や「ブルーライト横浜」を歌った時のように、大人が「どこで覚えたの、やめさない」と子供を注意する光景は見ることがあまりありません。

写真は僕が高校の時、アルバイトのお金で頭金を貯め、ローンを組んで買ったステレオ(テレビは抜き)です。

総額で20万少し。カセットデッキだけは、このセットとは別にソニーのものを選びました。性能の割には高額でしたが、夜中に光るイルミネーションや、受験勉強をしながら聴いた「あの時のサウンド」は、今も忘れることが出来ません。みんながいろんなステレオを好みで買い求め、グレードアップして、自慢のオーディオシステムを構築したものです。

オーディオはお金をつぎ込むと、物凄く心地の良い音楽を聴かせてくれます。イヤフォンで配信やダウンロードした音を聴くのとは、全く違う体験です。安くても自分のお気に入りのステレオを、家に置いて欲しいと思います。そして、音楽を誰かと共に共有して欲しい。それが「人生の温もり」を与えてくれます。