青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

七夕に願う ~子供の心を子供らしく

2021-07-08 | 今を考える

あいにくの災害的な大雨が続いていますが、商店街に七夕の短冊が飾られているのが目が留まりました。僕も子供の頃は、自分の夢を短冊に書き、星に願いをかけたものでした。七夕が終われば、短冊や飾り付けをした笹を、川に流しました。今は川に流すなんて「とんでもない」ことですが、50年前には日本中どこででも見られた光景でした。

短冊を眺めていて、「何だ、これは?」というものがいくつも目につきました。少なくとも、自分の子供には絶対に書いて欲しくないし、僕の年代の子供たちが書かなかったようなことが、そこには書かれていました。

夢を書くべき短冊に、これ??こういうのが本当に子供たちの願い事なら、寂し過ぎます。

逆に言えば子供らしくないと言うか、頭が良すぎるのか・・・。願い事、夢を書くべきところに、「夢が決まりますように・・・」。大学生あたりが就活を前に、「自分がどんな仕事に就きたいかが分かりません」と言うのに非常に似ています。自分で考える力が、伸びていないように思えます。

学校、塾、勉強のツール、PC、スマホ・・・いくらでも学ぶ機会も学ぶ方法もあるのに、知識は身に付いても、肝心の「考える力」はどうなのかと不安になります。

僕は短冊は、こうあるべきものだと思います。しかし、こういう短冊を見て、こういう子供も「まだまだ」いるんだなと、安心している自分が怖くなる。普通のものを見て安心するって・・・。子供をどのように導いて行くのが良いのか・・・大人は今こそ真剣に考えるべきだと強く思います。


アメリカ人と野球

2021-07-08 | 英語の世界

梅雨を吹き飛ばすように、毎朝大谷翔平の話題で心がスカッとするのは僕だけではないと思います。無理して五輪を開催しそれをTV観戦しなくても、大谷の試合を毎日観る方が不安もなく楽しい。13日のオールスター戦に大谷は、二刀流でピッチャーとしてマウンドに立つことも決定しました。今朝は松井秀喜選手が持っていた、メジャー日本人選手最多アーチ31本を塗り替える32号ホームランを打ちました。

“Whoever wants to know the heart and mind of America had better learn baseball, the rules and realities of the game – and do it by watching first some high school or small-town teams.”

これは歴史学者、ジャック・バーザンの言葉です。「アメリカ人の心を知りたかったら、野球を知ると良い。このゲームのルールや現実味を。それも高校野球か草野球から見始めるべきだ。」

バーザンがこう言ったのは、1954年のこと。野球がアメリカの娯楽の象徴だった時代です。今では娯楽の象徴は、アメリカンフッボール!もう10年も前の2011年の世論調査の結果を見ると、アメフトが1番好きだと答えた人は、31%。2位はバスケットボールで17%。野球は3位で16%だった。アメリカの娯楽と言われた野球の人気は、アメフトに水をあけられました。

思えば日本でも僕が子供の頃は、野球中継がテレビで観ることのできない日は、チームの移動日くらいのもので、毎日のように読売テレビ(日本テレビ系)は巨人の試合を放送していたし、サンテレビ(神戸ローカル)では、阪神タイガースの試合を開始から終了まで完全中継していました。現在のようにドーム球場などがない時代でしたから、雨天中止も結構ありました。

野球中継のおかげで、見たい番組が1週休みになる、もしくは時間を変えて放送されるということもありましたし、逆に野球が雨天中止になった場合にのみ、めったに見ることができない映画が予定されていることもあり、野球放送を巡るテレビ放送にも泣き笑いがありました。(笑)野球ファンも、延長戦に入り、テレビ中継が放送時間の関係で終わるとラジオに向かったり、逆に視聴率が取れるとなると、ニュースステーションでさえ繰り下げて、野球中継を延長することもありました。

野球は日本でも娯楽の中心にありました。特に大阪には球団が阪神・阪急・南海・近鉄と多かったので、身近にも感じたものです。高校野球、甲子園大会もありますから。今はいろんなスポーツの放送がされるようになり、また衛星放送の普及で、全体では沢山のカードの試聴が可能になったのかも知れませんが、テレビをつけたらジャイアンツの試合がやっているということは無くなりました。

バーザンの言葉が、決して大げさではない事は、野球のリトル・リーグの「誓いの言葉」を見ても分かります。

“I trust in God. I love my country and will respect its laws. I will play fair and strive to win. But win or lose, I will always do my best.”

「私は神を信じます。私は祖国を愛します。そしてその法律を尊重します。私は正々堂々とプレーします。そして勝つために努力します。しかし勝敗に関係なく、最善を尽くします。」

日本では、子供がこんなことを言いません。良いか悪いかは別として、アメリカでは子供の頃から「祖国」というものについて、意識するような教育が行われているということです。学校の教室には、国旗が掲げられています。