五輪日本代表選手というのは、単なる1アスリートではなく、国を代表しています。当たり前のことですが、その自覚が本人にあるのかどうか・・。
卓球・五輪初の金メダル・・快挙達成おめでとう・・ですが、僕は勝った水谷選手の言葉に白けました。「本当に中国という国に、本当にオリンピック、世界卓球で負けてきて、この東京オリンピックでいままでのすべてのリベンジができたんじゃないかと思います。」
リベンジとは、(自分のことだけ考えていて)「やられた当人がやりかえす」という意味です。更に言えば「ある人が傷つけられたり不当に扱われたことへの仕返しで、そうされた当人が自分自身の手で、相手を傷つけたり危害をあたえること」・・つまり復讐です。
卓球の強い中国に対し「ついに一矢報いた」というように、もっと謙虚な言葉を使うべきで、1回勝っただけで、全てのリベンジが出来たとは、一体どういう考え方なのか。32歳のプロ選手にしては、情けない発言です。日本中が注目するアスリートだからこそ、発言には気をつけるべきで、マスコミも勝ったことを祝福するだけではなく、注意すべき所はするべき。中国にとって卓球は国技。逆の立場で「日本にリベンジできた」と外国選手が言えば、我々日本人はどういう印象をその選手に持つでしょう。
いろいろなことがあった水泳の瀬戸。卓球とは違い、予選落ちという無残な結果が続いています。その瀬戸の発言にはネットでは「インタビューにも謙虚さや感謝が感じられず、思い上がっている」と手厳しい意見が並ぶ。瀬戸の不倫騒動はもう終わったこと。騒動の時に散々叩いて、彼も収入が減ったりそれなりの報いを受けたのだから、今は応援してあげないと。
勝った選手には何を言っても称賛し、期待を裏切った選手は徹底的に叩く。そういう日本人のメンタル面も社会全体で直して行く必要がある。結果はその選手個人の、これからの将来を変える。でも、僕ら見ている側の一般人は、彼らのメダルへの「過程」に影響を受ける。
最後に優勝が期待された、大坂なおみの3回戦ストレート負け。案の定と言うか・・試合直後は大会で義務付けられている取材エリア、ミックスゾーンを通過せず会場外へ。一切の取材に応じなかったことから日本協会関係者が「戻します」と説明するなど、現場は混乱。その後、20分経過してから会場に戻ると取材陣の質問を1問だけ受けた。「残念だったか」という質問に日本語で「はい」と答え、「大会に出場したメリットはあった。プレーして良かった」と、涙ながらにうなずいた。代理人は負けてもインタビュー受けるとは思っていなかったと見え透いたコメント・・。負けた時にどれだけ注目を集めるかが分からなかったのなら、紛れもない馬鹿です。
プロである彼女がプロの大会で、自分の意見を通す行動を取るのは勝手だが、最終聖火ランナーまで務めた日本代表という立場は、本人が分からないなら周囲が分からせるべき。そういうことも含めて聖火ランナーを依頼し、逆に本人も引き受けるべき。それが出来ない人間に大役を任せたなら、任せた側にも責任を取ってもらいたい。
聖火ランナーは別として、負けた時こそ真価を問われるスポーツ、いや人間として、敗戦で注目を集めるのが分かっていながら義務を無視した行動を取っては、これまで彼女のして来た問題提起は単なる「自分勝手」「自分の都合」としか思えない。ルールを守れないのは、スポーツに関係なく、社会性の欠如です。
多様性とかジェンダー差別など、言葉1つで散々いろいろな人を切り捨ててきた五輪なのに、選手に対しては甘過ぎる。子供たちに対して最も影響力を持つ人たちには、「崇高な理想」の前に「当たり前の常識」を持ってもらいたいものです。
アスリートも日本代表という立場であれこれ言われるのが嫌なら、全ての費用を自己負担で大会に出場すべき。税金を使う以上、1個人の発言・行動では済まされません。
日本国民の多くの反対を押し切って開催された東京五輪。「スポーツの力」よりも、「アスリートのわがまま」「アスリートの常識の欠如」を見ることの方が多いような気がします。スポーツの力よりも、「スポーツマンは世間知らず」、「脳みそまで筋肉」と言われた数年前の状況に戻らないように、大会関係者にはもっと厳しい対処を求めたい。マスクを着用していない選手・関係者もかなりのものです・・・。