うぐいすの 一声を待ち 庭の春
梅士 Baishi
外気温16度。
春三月のような暖かい朝である。
早朝からメジロが来て、空っぽのみかんと蜜つぼをのぞいている。
早速、朝の定食を準備した。
外にはもう、梅の花が7分咲きである。
メジロたちは忙しくなる。
梅にうぐいすというが、見たことがない。
梅にはメジロが良く似合う。
我が家に梅の木はない。
柿ノ木と葡萄とびわの木である。
それでも、蜂蜜をなめに、うぐいすとメジロが入れ替わり立ち代りやっ
てくる。
メジロは良く歌ってくれるが、うぐいすは寡黙である。
声を失ったかのようである。
うぐいすがホーホケキョと鳴く頃には桜の花が満開で、深山にも春
がやってくる。
そんなうぐいすをまじかに見ながら、ドラマチックなその一声を想像
するのである。
【激動の社会と組織】
文明の転換期にあって、世界中が激動している。
個人も国家も、他人や他国との距離のとり方に苦慮している。
視界の中に大きく異文化の存在が迫って交錯するのである。
それが、獲物に見えたり、脅威に見えたり、敵に見えたりする。
共に仕事をする仲間と信頼しあうまでは激動が続く。
同じ地球人類同士であっても、同じ国民であっても、同じ会社員で
あっても、激動が続く。
どんな社会にも文化があり、なんらかの結束があるように、無目的
な社会ということはない。
目的を共有する社会とは、即ち、組織である。
地球人類社会も組織の夜明けを迎えつつある。
それは、宇宙国際社会の時代を迎えるためのアイデンティティー
を養成する段階というべきかも知れない。
組織には、必ずリーダーのヒエラルキーがある。
激動の時代であり、危機の時代であればこそ、組織力を高めるリー
ダーシップがより高次に求められる。
組織とは、さらに大きな外部社会に一定の働きをするための多重
構造を持っている。
だから、人類が結束する組織意識をもつためには、宇宙人類社会
が意識されなければ本格的には育ってこない。
組織は個によって構成されるが、個とは、意識である。
即ち、組織とは、個々の意識が目的的に結ばれた意識体というこ
とになる。
個という自我の意識、孤立的な意識を、どこまで社会的、組織的
に拡張できるかというイノベーション課題が、組織力の強化の重要
な要素になっているということである。
自我の意識とは、排他的であり、自閉的な負のベクトルを持つ。
社会的な意識を持つためには、まず、自我の殻を破らなければ
ならない。
自我の殻を破って、どこまでわがことのように思える人間関係に拡
大できるか、これが、人生の課題であり、かつ、組織の課題である。
【リーダーの役割】
ということは、リーダーの条件は、部下よりも一歩先まで自己拡張
していなければならない。
たまねぎの皮のように幾層にも重なっている自分の殻を、部下より
も一枚多く破っていなければならない。
リーダーの仕事意識は、個の仕事ではなく、組織としての仕事であ
る。
部下の意識を網の目のように結んで、より大きな仕事の意識を作
ることが仕事である。
それは、教育者の仕事であるといってよい。
自我の殻を破り、自己の意識を組織意識に拡大する発展的な教
育ができなければ、リーダーの仕事はできないということである。
それが、組織のイノベーション課題でもある。
イノベーション(革新)は、二律背反の相克から生み出される。
常に安住を求める負のベクトルと、このままではいけないという打
開すべき課題のベクトルの二律背反である。
あちらを立てればこちらが立たずというのが革新の状況である。
【中間管理職イノベーションの課題】
中間管理職の立場は、部下としての狭い個の意識と自分の下部
組織に対するリーダーとしての意識の二律背反に直面する。
これを取り違えると、自分の権限を部下のような個の意識で使って
しまうという過ちを犯す。
リーダーの仕事は、中間管理職であっても、一歩先のビジョンを提
示して誘導する企画型の仕事でなければならない。
上にも下にも、企画で道を開かなければならないのである。
組織の行動は、企画というビジョンの確立によってシュミレートされ、
実現されてゆく。
日本という国も、独立国家かどうかもあやしい不安定な状況にある。
それは、リーダーたる政府、議会の能力、ないし情熱に問題があ
るのだろう。
政治に期待することができない状況である。
国に何とかしてくれと言うことを期待してはいけない状況である。
しからば、国民リーダーが、企業活動として、日本のビジョンを示し、
企画し、行動してゆかなければなるまい。
それは、ある意味、中間管理職的な立場かもしれない。
教育力、企画力が、今こそ求められていると言うことである。
だから、人工島型空母を企業連合で建造しようではありませんか!
梅士 Baishi