
なでしこリーグ・ディビジョン2 第20節
2009年10月25日(日)12:00キックオフ
狭山赤坂の森公園多目的グラウンド
ASエルフェン狭山FC 10 - 0 ルネサンス熊本フットボールクラブ
あれから3ヶ月。20失点の衝撃をいまだ忘れることができず、ちょいちょいHPやらオフィシャルブログなんぞもチェックしていたR熊本が再び狭山にやって来るとあっては、これは雨が降ろうが槍が降ろうがとにかく行かなければなるまい。バニーズ戦で今シーズン初勝利を知った時は、まるでサポーター気分で喜んでしまった。そう、あれからきっと何かが変わったに違いない。そう信じて、今日1日はR熊本のサポーターとなって応援することに決めていたのだ。
開始早々から何が変わったのかがわかった。守備意識が高くなったのだ。それに加えて個人の競り合いで負けていない。たとえ負けたとしても相手とボールを追いかける。最後まで追いかける。相手のシュートがことごとくR熊本の選手に当たっていたのはこのためで、文字通り体を張った守備を見せていた。これはすごい。気持ちが入っている。それからGKがすごく良かった。どんどん飛び出してDFの裏をカバーしていた。30分近くが経過しても0 - 0の均衡は破られない。正直言って、今日の試合は1桁失点であれば十分だと思っていた。それがこの検討ぶりである。これはひょっとしたらひょっとするかも知れない。前半終了間際の失点は余分だったけど、3失点でハーフタイムなら上出来だ。
しかし、その代償は後半にやって来た。前半同様に最初の失点が遅ければ遅いほどよい。逆に1点でも返せれば、可能性はさらに広がる。でもさすがに昇格を狙うAS狭山相手にそれほど上手く事は運ばない。前半飛ばしすぎたのか、プレスが甘くなってきた隙を突かれてずるずると失点を重ねてしまう。やはり1桁失点というのは現実的な目標だったようだ。何とか頑張ってほしい。「10点目はやらねえぞ!」と心の中で叫んでみる。が、前回同様あと1歩及ばず10失点を期して試合終了のホイッスルは鳴った。
ただこの結果は、ある程度仕方のないところもある。後半途中からR熊本は左サイドの8番をトップに上げて勝負を仕掛けていた。何とか1点を返そう!という戦術だったのである。その可能性は最後の最後までチャレンジされた。失点を恐れるよりも得点を取る!多分それが、雨の中で応援を続けるサポーターに向けてのチームのメッセージだった。10失点目の後、8番と10番がリスタートのボールをセットする姿からもそのメッセージは伝わってきた。何とか1点を!その願いは、しかし残念ながらかなうことがなかった。それでもそこに感動は残されていた。
なぜなのか?サッカーで2桁失点というのはちょっと問題ある。20失点が10失点になったからといって、決して褒められたことではない。それでも、R熊本の試合を観た後には感動が残されている。前回注目していた左サイドは、今日も献身的に攻めに守りに走っていた。攻撃の時は敵陣ゴールラインまで、守備の時は自陣ゴールラインまで。もうそれ以上走るところはピッチに残されていない。信じられないけど本当にこれだけ走っているのである。オフィシャルブログに書かれている「あきらめない」姿がそこにはある。だから感動があるのかもしれない。
来シーズンから女子サッカーは「なでしこリーグ(L1)」と「チャレンジリーグ(L2)」に分かれることが決まっている。チャレンジリーグはさらに東西リーグに分かれてしまう。ということは、R熊本も今日で見納めということか。もう埼玉で試合を観ることもないのか。そう思うと残念でならない。いやいやちょっと待てよ。そんなことはないんじゃないか。R熊本がトップリーグに上がってくればよいのだ。その可能性は決して少なくないと思う。今日の試合を観た限りでは、まだまだ強くなれるはずだから。そうすれば浦和との対戦だって観られるわけだし。
というわけで、ルネサンス熊本の選手、サポーター、関係者のみなさま、我がホーム駒場スタジアムで3,500人の観衆と共にお待ちしております。本当に頑張ってほしいと思います。浦和サポーターの夢も是非かなえてくださいね。