19日、五反田にある旧正田邸の跡地に造られた「ねむの木の庭」の中央にある「ねむの木」が花を咲かせているという情報を得て、初めて花を見に行った。今は区の庭園となっており、係員がいつも綺麗に園内を整備しているので、四季折々いろいろな花を楽しむことができる。庭園名は美智子さまが高校生時代に作られた詩「ねむの木の子守歌」に由来するという。今までに、何回も「プリンセスミチコ」というオレンジ色の有名なバラを見にこの庭園に行ったことがあるが、この庭園のシンボルツリーである「ねむの木」の花を見るのは初めてであった。
「ねむの木」の名前の由来は、夕方や曇天など暗くなると葉をたたんで垂れ下がり「眠る」ことに由来する。一日の中で葉が開閉したり、上下に動いたりすることを就眠運動というが、その名のとおり、暗くなると眠る就眠運動と花の美しさからよく詩歌の題材とされている。特に有名なのは芭蕉の「奥の細道」にある名句「象潟や雨に西施がねむの花」である。漢字では「合歓木」と書き、「歓びが合わさるのでめでたい木」という中国名「合歓」に由来するという。
行ってみると、花がいっぱい咲いていたが、地上にも多くの花が散って落ちていた。花を嗅ぐとほのかな匂いが漂っていた。花は次から次へと咲き、1ヵ月位花が咲いているようである。