10月11日、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のノーベル平和賞受賞が発表され、世界中から賞賛の声がある一方、自民党・石破政権は、核廃絶に関しの基本的考え方が、ノーベル平和賞によって完全に否定された形になったため、ますます窮地に陥ることが予想される。東京新聞の記事によれば、受賞発表の翌日、東京都内で記者会見を開き、代表委員の田中熙巳さん(92)は、石破茂首相が自民党総裁選で言及した「核共有」に対し、「論外、怒り心頭、間違っていると説得したい」とバッサリ指摘されたことになり、石破政権は今回の総選挙でも大きなダメージを受けることも予想される。
このニュースを見て思い出したのは、2010年に中国の作家で人権活動家である劉暁波氏がノーベル平和賞を受賞したが、中国政府は、政府にとって都合が悪いからか、彼の投獄を不当に続け、中国政府の人権問題が話題になったことである。中国の人権侵害がノーベル平和賞によって世界中にさらけ出された瞬間であるが、今回の被団協へのノーベル平和賞により、いかに今までの政府自民党政権の考え方が間違っているかが、証明されたようなものである。
核兵器の使用は国際人道法違反であるとして、その開発、保有、使用、威嚇を全面的に禁止するという2021年に発効した核兵器禁止条約に対し、日本は批准や署名には反対してきているが、今回間違っていると指摘されたようなものである。日本も中国とあまり変わりない印象を受けるので、日本政府は、今回の平和賞受賞を苦々しく思っているに違いない。ノーベル平和賞を授与したノーベル財団の英断に拍手を送りたい。また、日本政府は、この受賞を重く受け止め、真剣に核廃絶に向けて、取り組んでほしい。それが出来なければ、石破政権も終わりである。これが政権交代のきっかけとなればいいのだが。。。
東京新聞Web(10/12): https://www.tokyo-np.co.jp/article/360095