10月17日、俳優、歌手などマルチタレントの西田敏行さんが76歳で逝去したという信じられないニュースが流れた。彼は同学年で、元気印のような印象があるので、正直ショックというか複雑な思いである。西田敏行さんといえば、「釣りバカ日誌」が代表作の一つであるが、この映画は、1988年から22年間で22作の作品が公開された国民的人気を誇り、実家の舞台が我が家からも近い北品川界隈であることから親しみ感じる大好きな映画である。ハマちゃんとスーさんとの関係もいつも羨ましい関係と感じていたが、二人とも旅立ってしまい寂しいかぎりである。著名人なので、いろいろな人がそれぞれの想いを込めて弔辞の言葉を述べているので、我々が何かを言う立場にないが、西田敏行という名前で検索していたら、2008年頃、NHKのラジオ番組で「ドナウの旅人」を竹下景子さんとナレーションしているユーチューブを見つけ、そんな番組もやっていたのかと懐かしい思いで聴いてしまった。というのも、「ドナウの旅人」は、芥川賞作家である宮本輝さんの原作で、39年前にフランクフルトに赴任した時に、友人に紹介されて持参した本で、強い思い入れを持っている。ドナウの旅人はフランクフルトを起点に、ドナウ川に沿って旅する物語で、ドイツ駐在中、縁があって、宮本輝さんと交流する機会があり、その縁で彼の文化講演会を実施したこともあった。
ラジオでの二人のナレーションも魅力的であったが、ナレーションと言えば、テレビ朝日の「人生の楽園」という番組での楽園の案内人としての菊池桃子さんとの掛け合いも印象に残っている。今でもよく見ている番組なので、その声が聴けなくなるのは寂しい気がする。テレビでは、各局ともいろいろな形で西田敏行さんを偲ぶ特集番組が行われている。「釣りバカ日誌」も再放送されるはずなので、その時はじっくりと偲んで見ようと思う。何度見ても楽しい映画であり、ハマちゃんは「男はつらいよ」の「寅さん」であり、ともに永遠に語り継がれていくことであろう。ニュースの記事によると死因は虚血性心疾患とあり、自分の父親と同じであったことがわかった。恐らく、その瞬間まで元気にしていたものと思われる。長患いで家族に迷惑をかけることなく逝ったことは彼らしいという気もする。ご冥福をお祈りする。