平成湘南日記...一語一絵

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自称カメラ小僧の気まぐれ風まかせ日記

日本の外交力って

2010-11-08 19:51:46 | 最近のこと
今日はまた日本にとって実にシリアスなテーマです。
先日から世間を賑わせているのが、中国偽装漁船の海保巡視船「みずき」衝突映像流出の一件。

騒ぎの報道の直後(5日午前中)にYouTubeを見に行った時には、確かに一時的に削除はされていて該当する動画は見当たらなかったのですが、そのあと5日夕方あたりからコピーされた映像が次々に投稿されていたようです。
44分を6つに分けたオリジナル同等ものや、英字幕付きのもの、中国語タイトルのものなど様々...。

「映像を流した人は偉い」「消されないでほしい」。動画とともにユーザーたちが書き込めるメッセージは「流出」を歓迎する声が大勢。
拡散を呼びかける声もあり、中国の同種サイトにも転載。
...だそうです。

ニコニコ動画はどうかなと思って見ると、YouTubeほどではないにしても、いっぱいupされている様子。

もうはっきり言って歯止めは全くきかず、どうにも止められない状態です。

下の動画はYouTubeではなく「ニコニコ動画」からのものです。

【中国偽装漁船が海保巡視船「みずき」に衝突 流出ビデオ】


さて、流出についての責任問題はともかく、このビデオを日本政府が強力なカードとして使い得なかったは、本当に残念なことだと私は思います。
機密保全は無論重要なことではありますが、今回の一件は逆に情報公開のあり方を、今は真剣に論議すべき時であるという気がします。

それにしてもつくづく思うのは、日本政府というのは日本の国益を守るための戦略的なモノの考え方ができないのだな、ということ。
中国船の船長を何の処分もなしに釈放したり、証拠として提出した映像に対する曖昧な扱い...
きっと、日本の海を守るということで命がけで中国船と対応し、映像を撮影した海保の乗組員は、中国のやり方に対して憤る以上に、日本政府に対する失望感でいっぱいだったのだろうな、と思います。

菅首相は「5年後10年後にはこの冷静に対応した処置が評価されるだろう」と述べたが、本当にそう思っているのだろうか。
野党の追及質問に対して官房長官が替わって答弁するに至っては、きちんと答える術がないのだろうなと呆れ果てるしかない。
自民党にしたって、ここぞとばかりに政府責任についての攻撃に終始している様子もどうかと思う。
“あんたたちは同じ日本人なんじゃないのか”と言いたくなってしまう。
そんな怒りを中国にこそ向けて欲しい。
何故“日本にとって最善の道を一緒に考えましょう”と言えないのか。


流出映像を見ての反応は、日本人と中国人ではかなり食い違いを見せているようです。
日本人は「誰が見ても中国船が衝突を仕掛けて来たとしか見えない」と言い、中国人は「日本船が仕掛けてきたのだ、悪いのは日本だ」「最近の技術を使えばいくらでも映像の偽造は可能だ」等など。

日本外交の拙劣さを突いてきているのは、尖閣問題だけでなくロシア大統領が国後島を訪れたことも。
ロシアのやり方には、太平洋戦争終了間際に参戦してきたことを連想させます。
きっと北方四島返還は実現不可能でしょう。
中国はそのうち「沖縄は歴史的に日本固有の領土ではない」と言い出すことも懸念されています。

流出の犯人を挙げれば終わりなのではない。
このような時こそ日本は一つになって、理不尽と思われることに対処しなければならない。

私にはここにこんなことを書くくらいしかできないけれど。