3月7日(水) 天気=晴れ後曇り
雪山歩きをしたくなったので、浅間山へ出掛けた。計画は「今日が浅間山登山で、明日はアサマ2000スキー場でスキー」という2度楽しいプランです。未明、妻を起さぬようソッと我家を抜け出し、関越道~上信道を経由して佐久ICで降りると、高峰高原の車坂峠駐車場に車を停める。
さあ出発と装備を点検したら、たった一つ忘れ物があった。《冬山用の登山靴》 無雪期なら運動靴でも歩けるが雪山ではお手上げ、リーマンショック時の株価のように一挙に私のモチベーションが低下した。なまじ好天なのが恨めしい。
「仕方ない。スキーでもやるか。」とアサマ2000スキー場へ移動しオープンまで車内でコーヒーブレイクする。08:30のオープンになっても駐車場に停まっている車は十数台程、スキーヤーも僅かしかいない。しかもその半数以上はスキースクールや救助隊員等スキー場関係者の様子、カラカラ廻るリフトと、場内に響くアメリカンポップスが物悲しく聞こえてくる。
私も一日券(シニア=2500円)を購入し、リフトに乗車する。此処は4本のリフトが放射状に拡がるこじんまりしたスキー場です。係員の人が「昨日の雨が凍ってアイスバーンなので気をつけて。」と声を掛けた。リフトを降りて実感、全コースがカチカチのスケートリンク状態になっている。写真を撮ろうとデジカメを取り出したらバッテリーがポトリと落ち、何十メートル先までフっ飛んで行った。
スキー場から水ノ塔山方面
モチベーションは上がらないのに、スキー板が勝手にグングンすっ飛んで行く。「ここでコケタら、タダでは済まないな。」と一寸恐くなるほどのスピードだ。ガリガリガリッと滑っちゃリフトを繰返していると、だんだん自分のやってる事が馬鹿らしくなってきた。
それでも11:30過ぎまで滑って車に戻り、昼食の準備をする。と今度はガソリンコンロに火が付かない。どうやらガス抜け穴が詰まった感じだ。針で突いても穴が小さすぎて直らない。今夜車中泊して明日は別のスキー場へ行くつもりだったが、コンロが故障したら食事を作れない。「仕様が無い。今日はおとなしく帰ろう。」と缶ビールを飲みながら考える。
アサマ2000スキー場と奥に黒班山
ほろ酔いスキーかつモチベーション低下のままアイスバーンは一寸無謀なので、2時間ほど読書しつつ休憩する。14:30頃から再び滑り始める。リフトに乗っていたら、西の方から20名近くの団体が列をなして蟻のようにスキー場内へ歩いて来た。どうやら今流行のスノーシューツアーのようだ。見ているとけっこう難儀しているようだから、それ程便利なものとも思えない。
15:40頃スキーを終える。もう滑っている人は殆んど無く、空しくリフトだけがカラカラ廻っている。車で帰る途中、車坂峠の登山口を偵察してみる。浅間山へ向う踏み跡がかなりあるから、けっこう登られているのだろう。峠にある高峰高原ホテルの駐車場には「○○スノーシューツアー様」と書かれたバスが停まっていた。先程の団体さんのバスみたいだ。「今頃温泉に入ってビールを一杯やってんのかな。」と想像したら一寸羨ましくなった。
我家へ戻る車中、妻に今日の事を話したら又馬鹿にされるのは間違いないと若干気が重い。そう言えば有名なことわざがあったな。『二兎を追うものは一兎も得ず。』まさしく今日の私では無かろうか。