先日土曜日の夕食後、「花火の音が聞こえるよ」と妻が言った。ベランダから外を眺めると、南東の方角に次から次と花火が打ち上げられている。「やっぱり夏の夜空はこうでなくっちゃ」と、しばらく見惚れてしまった。
その後花火の場所をネットで調べたら、どうも川越市入間川河川敷の安比奈親水公園で3年ぶりに開催された「第30回小江戸川越花火大会」だったらしい。我が家から距離にして10キロほど離れた場所での見物だったから少々迫力には欠けたけれど、中々良い花火大会でした。
そう言えば今年の夏は、花火大会に限らず全国各地で大きなビッグイベントが有観客で開催されているようです。素人考えでは、連日20万人を超えるコロナ感染者数が記録されているこの時期に、大勢の人が集まる大規模な催しをこんなにやっても良いのだろうかと若干の不安を覚えます。
しかし不思議なのは、去年の夏に東京オリンピックの反対キャンペーンをあれほど繰り広げたマスコミが、今年のビッグイベント開催に関しては何故か沈黙を守っている。朝日新聞の日曜朝刊などは、「3年ぶり雨の都心に華が戻る」と神宮外苑花火大会の様子をのどかな調子で報じていた。
察するに、マスコミが今年のイベント開催に批判的報道をしないのは、コロナ自粛疲れした国民の反感を買う事を恐れたからではないのだろうか。もしそうだとしたら、去年夏の東京オリンピック開催をあれほどしつこく反対した報道は、一体何だったのかと白けた気分になる。