Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

映画「大いなる不在」を観て、高齢者の認知症問題を考える。

2024年07月28日 | 映画・コンサート

 私は九州出身なので北九州市は馴染みの深い街ですが、そこを舞台にした「大いなる不在」という映画が幾つかの国際映画祭で賞を獲り高い評価を受けたと聞いたので、上映されている池袋駅西口の「シネ・リーブル池袋」へ妻と二人で観に出掛けた。

池袋のシネ・リーブル池袋

 映画の主人公の卓(森山未来)は、役者として活躍しているが、幼い頃に両親が離婚してそれ以来実の父親とは疎遠の仲だった。

 その父親、陽二(藤竜也)が事件を起こしたとの報を受け、父の住む北九州市へと向かう。25年ぶりに再会した父は過って大学教授だった頃のかくしゃくとした面影は薄れ、認知症を患う弱々しい老人に変わっていた。

 そして父の再婚相手だった女性も姿を消して行方が分からなくなっていた。父の家に残された数々の手掛りから、今まで知る事の無かった父の辿った人生がおぼろげに見えてくる。

 卓は父の再婚相手だった女性の行方を求めて熊本県まで会いに行くが、面会を断られる。女性に会えぬまま帰りの列車を待つシーンでジ・エンドとなる。認知症という重い社会問題をテーマにしたこの映画は、主演の森山未来さんや父親役の藤竜也さんが凄いというか秀逸の演技で、ドラマと言うより生々しい実話を見ているような気持ちになりました。

 65歳以上の高齢者四人に一人が認知症になるという現代の日本、我々夫婦もドップリその領域におり他人事ではない。そういう意味でも深く考えさせられました。それにしても森山未来さんと藤竜也さんの演技は素晴らしく、評判通りの秀作でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする