透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

「四月の気層のひかりの底を」歩きました

2016-04-08 20:24:12 | 日記

曇り時々晴れ。最低気温5.7℃、最高気温10.6℃。

 晴れ間がわずかにのぞいた他は、ほとんどが雲に覆われた一日となりました。

 4月8日は、お釈迦様の誕生日でもあり、「春と修羅」という賢治さんの詩(心象スケッチ)に記された日付でもあります。

 1922年4月8日の日付を持つこの詩は「心象のはひいろはがねから/あけびのつるはくもにからまり/のばらのやぶや腐食の湿地/いちめんのいちめんの諂曲模様・・・・・・・いかりのにがさまた青さ/四月の気層のひかりの底を/唾し はぎしりゆききする/おれはひとりの修羅なのだ・・略・・・・」と綴られています。

 4月に野幌森林公園の湿地滞を歩いたり、眺めたりすると、「おれはひとりの修羅なのだ」とつぶやく賢治さんの姿を思い浮かべることがしばしばです。

 季節が冬から春へと大きな動きを伴う月、年度が新しくなる月。4月は、独特の気分を醸成する月のような気がします。

 「四月の気層のひかりの底を/唾し はぎしりゆきき」しながら「おれはひとりの修羅なのだ」と称する作者の心中は複雑で奥深く、「いちめんのいちめんの諂曲模様」にからめとられてしまいそうです。

 岩手県の4月は北海道のそれと、似通うところも多いだろうと思いつつ、この詩を、今日は特別に意識しながら歩きました。

              

                                  《ふれあいコース 11:37撮影》

              

                              《ザゼンソウ エゾユズリハコース2016年4月7日撮影》

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