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賢治さんは先見の明があると、様々な分野の専門家の方がおっしゃっています。先日は火山関連の専門家の方からお話しを伺ってきました。
今日は、専門家ではない私が新聞記事を見て賢治さんの先見性を感じたのでした。
賢治さんの『フランドン農学校の豚』という作品を思い浮かべてのことです。
この作品では豚が人格(豚挌?)をわずかながら与えられている風で、心の内が言葉で綴られています。
また、「家畜撲殺同意調印法」というものが国王から発令され、家畜を殺そうとするものは、その家畜から死亡承諾書を受け取ること、その承諾書には家畜の調印が必要だとの布告内容になっています。
この作品では、家畜として殺される豚が心情を語るシーンが続きます。賢治さんが人間の側からだけではなく、飼育される豚の身になって考えての言葉かと思われます。
ベジタリアンに移行していく賢治さんとしては、最終的には手にかけなけらばならない家畜であっても、せめて、飼育期間にはできるだけきちんと扱ってほしいとの思いがあったのではないかと私は感じました。
ですから、こうした取り組みが広がることを賢治さんは当時から望んでいたのではないかと思った次第です。
北海道新聞2016年9月23日・日刊紙