透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

「平凡な毎日を自分の手で魔法の時間に変えること」(ターシャ・テューダ―)

2016-12-17 18:12:50 | 

曇り時々晴れ。最低気温-16.6℃、最高気温-2.4℃。

午前、氷点下の中を野幌森林公園へ向かいました。

森の中は、青空も垣間見え、大沢口の車両禁止の立て看板は半分以上が雪の中です。大沢口付近の木々は自由に枝を伸ばしていました。以前は大きな木がもっとあったのですが、嵐がやってくるたびに倒れていき、今はその跡がぽっかり空いたままです。

何事もなかったかのような森ですが、微妙に姿を変えていたのです。

何事もないような平凡な流れの中にも微妙な変化はあるのでしょうが、ゆるやかで平凡な流れに溺れそうになる時もありました。そんなときに反芻していた言葉です。

平凡な毎日を自分の手で魔法の時間に変えること」、今は亡きアメリカの絵本作家、ターシャ・テューダーの言葉です。

 

実際のターシャさんは亡くなる92歳まで、本業の絵本作家と庭づくりと彼女が理想とした19世紀の暮らしを丁寧に続けていたので、平凡な生活とはかけ離れていたように思えるのですが。

「ターシャからの贈り物」というターシャさんがアメリカのバーモントで暮らす映像を見たことがありました。また、彼女の暮らしをまとめた本『ターシャ・テューダーの世界』も手元にあります。

森が静かに息をするように、体のリズムに見合った素朴ながら良質の暮らしを淡々と続けられていた姿に気負いは感じられませんでした。心をこめ、手をかけた暮らしの中から生まれた上記の言葉。魔法の時間に変えるのは自分自身なんですね。

 

 

『ターシャ・テューダーの世界』(ターシャ・テューダー&リチャード・ブラウン 相原真理子訳 文藝春秋 1996年11月25日 第1刷 2001年3月1日第12刷)

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