「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

いま決断すること (5)

2013年06月02日 21時13分40秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
○ 選択の余地のない関係

 ボーダーの人の親, 子供, 兄弟姉妹がいる場合などは、 決めるべきなのは、

 境界を設定して守ること, 自分が押しつぶされないようにすることです。

 その人とどれだけ接するか、 どれだけエネルギーを費やすかなどに、

 境界を設けることができます。

 一貫した手本と、 ボーダーの人の行動に対する 一貫した反応を示し、

 境界を強化してください。

 関係が大きな苦痛をもたらし、 相手に変化する気がないなら、

 一時的または永久に 関係を絶つ選択肢もあります。

ex.

 私は ボーダーの息子のことに集中しすぎて、 自分や夫や娘のことを 見失っていた。

 私は、 息子が引き起こす混沌から 身を引かなければならなかったの。

 息子には この境界が不服だったみたいで、 3年も連絡を絶ったの。

 でも彼も、 境界があっても 何の関係もないよりましだって 思ったみたい。

 今はちょっと不自然だけど、 何とかやっていけるの。

 彼は私たちなしでも 生きていけるって学んだ。

 私も、 息子を変えることはできないって 認められるようになったの。

○ 癒しと希望

 あなたが何を決断しようと、 そこには希望と癒しがあります。

 ひとつの関係が 終わる際の癒し、 愛する人が BPDから回復する希望です。

ex.

 ボーダーの夫と 離婚して10年、 私は自分自身について 沢山学んだ。

 それまで避けてきたことや、 認めようとしなかったことを。

 前より意識的に生きてるわ。

 彼を責めても意味がないし、 状況が良くなるわけじゃない。

 彼は 私を傷つけた以上に、 彼自身を傷つけてたのよ。

 彼が感じていた孤独, 恐怖、 それが 彼に対する私の怒りを 鎮めてくれるの。

 私は彼を見捨てた。 酷い罪悪感を感じていたわ。

 でも それを手放さなくてはならなかった。

 私は彼を助けられなかったけど、 自分を破滅させることもできなかったのよ。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 
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