BPDの新しい治療法が 成功を収めています。
ただし 本人自身が、 心から変わりたいと思うことが 大切です。
○ 薬物治療
薬物は、 うつ, 気分変動, 解離, 攻撃性, 衝動性などの症状を
緩和するのに役立ちます。
医師には 特別な訓練が必要です。
抗精神病薬 (ジプレキサ), 抗うつ薬 (ゾロフト, エフェクサー),
気分安定剤 (デパコート, ラミクタール) などがあります。
○ 心理療法
自ら問題に取り組もうとする ボーダーの人に、 構造化されたプログラムが有効です。
臨床家は 特別な訓練が必要で、 同じ障害を持つ仲間と 交流の機会があることが、
良い結果を生み出します。
(それは他の治療法も同様です。)
《 弁証法的行動療法(DBT) 》
最も良く知られた、 構造化された BPDの治療法です。
週1回のグループ・スキル・トレーニングに参加し、
苦痛に耐えるスキル, 感情を調節するスキル, 対人関係のスキル,
マインドフルネスを身に付けていきます。
マインドフルネスは DBTの中核となるものです (後述)。
《 メンタライゼーション(MBT) 》
一種の心理療法で、 次のことに焦点を当てます。
・ 自らの思考と 他者の思考を区別する
・ 思考, 感情, 願望, 欲求が、 いかに行動に繋がっているかを 認識する
患者とセラピストの 交流を重視し、
スキル・トレーニングを重視する DBTと異なる点です。
目標は、 他者との良い関係であり、 感情や行動のコントロールを 向上させます。
《 スキーマ療法 》
「スキーマ」 とは、
子供時代に 生存に関わるニーズが 満たされなかった場合に起こりうる、
自滅的で 確立された 生活パターンです。
スキーマは 生活の中で引き金を引かれ、
その感情的引き金に過敏になり、 自分を傷つけてしまいます。
スキーマ療法の目標は、 真の感情にアクセスし、
自滅的なスキーマ・モードの スイッチを切り、
対人関係の中で 感情的なニーズが満たされるようにすることです。
《 STEPPS グループ治療プログラム 》
「感情の予測と 問題解決のための システムズ・トレーニング」で、
伝統的な治療に 追加して使われます。
病気への気付き, 感情を扱うスキル・トレーニング,
行動を扱うスキル・トレーニングの 3段階があり、
家族が 重要な役割を果たします。
〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕