「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界性パーソナリティ障害の治療

2013年06月07日 22時10分56秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
 BPDの新しい治療法が 成功を収めています。

 ただし 本人自身が、 心から変わりたいと思うことが 大切です。

○ 薬物治療

 薬物は、 うつ, 気分変動, 解離, 攻撃性, 衝動性などの症状を

 緩和するのに役立ちます。

 医師には 特別な訓練が必要です。

 抗精神病薬 (ジプレキサ), 抗うつ薬 (ゾロフト, エフェクサー),

 気分安定剤 (デパコート, ラミクタール) などがあります。

○ 心理療法

 自ら問題に取り組もうとする ボーダーの人に、 構造化されたプログラムが有効です。

 臨床家は 特別な訓練が必要で、 同じ障害を持つ仲間と 交流の機会があることが、

 良い結果を生み出します。

 (それは他の治療法も同様です。)

《 弁証法的行動療法(DBT) 》

 最も良く知られた、 構造化された BPDの治療法です。

 週1回のグループ・スキル・トレーニングに参加し、

 苦痛に耐えるスキル, 感情を調節するスキル, 対人関係のスキル,

 マインドフルネスを身に付けていきます。

 マインドフルネスは DBTの中核となるものです (後述)。

《 メンタライゼーション(MBT) 》

 一種の心理療法で、 次のことに焦点を当てます。

・ 自らの思考と 他者の思考を区別する

・ 思考, 感情, 願望, 欲求が、 いかに行動に繋がっているかを 認識する

 患者とセラピストの 交流を重視し、

 スキル・トレーニングを重視する DBTと異なる点です。

 目標は、 他者との良い関係であり、 感情や行動のコントロールを 向上させます。

《 スキーマ療法 》

 「スキーマ」 とは、

 子供時代に 生存に関わるニーズが 満たされなかった場合に起こりうる、

 自滅的で 確立された 生活パターンです。

 スキーマは 生活の中で引き金を引かれ、

 その感情的引き金に過敏になり、 自分を傷つけてしまいます。

 スキーマ療法の目標は、 真の感情にアクセスし、

 自滅的なスキーマ・モードの スイッチを切り、

 対人関係の中で 感情的なニーズが満たされるようにすることです。

《 STEPPS グループ治療プログラム 》

 「感情の予測と 問題解決のための システムズ・トレーニング」で、

 伝統的な治療に 追加して使われます。

 病気への気付き, 感情を扱うスキル・トレーニング,

 行動を扱うスキル・トレーニングの 3段階があり、

 家族が 重要な役割を果たします。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 
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