「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

BPDの精神療法

2013年07月13日 22時10分31秒 | 「BPD最新ガイド」より
 
 1950~60年代の 古典的な精神分析は、

 BPDの多くの患者に 効果がなく、 害をなすこともありました。

 BPDの患者は 分析の治療に 最初から耐えられないことが多く、

 見捨てられたと感じてしまいます。

 対話 (言葉) による治療は、 混乱した行動に 対応しきれませんでした。

 しかし 精神分析の理論的・技術的な 革新と修正によって、

 精神分析と精神力動的精神療法は、

 現在 BPD治療の 選択肢のひとつとなっています。

 70年代以降 多くの治療法が開発され、 認知行動療法もBPDに適用されています。

 BPDの治療で 第1に優先すべきことは、 自傷他害を回避することです。

 個々の問題ごとに、 患者に適切な治療のレベルを 設定することも推奨されます。

 第2の長期的目標は、 非建設的で有害な生活のあり方を、

 より柔軟な思考や行動パターンに 置き換えていくことです。

 BPD治療では特に、 治療者と患者の 治療同盟は治療の根本です。

 患者の多くは、 自分の周りの人に対してだけでなく、

 世界そのものにも 信頼を失っています。

 そのため治療同盟を築くのは しばしば困難です。

 治療を始める際には、 患者と治療者の 相性のよさがとても大切です。

 最初に数回面接をして、 快適に話せるか, 治療を受け入れられるか,

 治療者に充分な能力があるかなどを 検討することが勧められます。

 また 集団技能訓練が行なわれることもありますが、

 患者に合っているか 検討しておくべきです。

〔 「境界性パーソナリティ障害最新ガイド」 星和書店 (林直樹訳) 〕より
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする