「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

高機能BP, 低機能BP

2015年03月19日 22時03分11秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 ボーダーの人たちを、
 
 低機能で 自分に向かって 行動化 (アクティング・イン) するタイプから、
 
 高機能で 他者に向かって 行動化 (アクティング・アウト) するタイプへの
 
 連続体でくくります。
 
 ふたつのタイプは、 大幅に異なるので、
 
 まるで 2つの違った障害であるかのようですが、 純粋な対極関係なのです。
 
 ボーダーの人は普通、 ひとつのタイプが優勢ながら、 ふたつのタイプの混合体です。
 
○ 高機能BP
 
 このタイプの人は、 働くことができ、 自傷行為や自殺企図をしたりせず、
 
 よそでは正常という 仮面を被っています。
 
 しかし、 家族といると 暴れたり、 激怒, 非難したりし、
 
 自分の低い自己価値感を 相手に投影します。
 
 自分以外に問題があると 信じており、 専門家の助けは求めようとしません。
 
 子供の高機能BPは、 成績優秀で 色々な才能を持つ 優等生です。
 
 しかし、 1ヶ月以上 同じ人と親友であることはなく、
 
 服で隠れる部分に 沢山の傷があります。
 
 ノン・ボーダーの人に 自尊心を失わせ、 BPに依存しているように感じさせ、
 
 恐れや心配を感じさせます。
 
○ 低機能BP
 
 このタイプの人は、 障害者補助を受けていたり、 失業していたり、
 
 自分の能力に見合わない 低いレベルの仕事についているかもしれません。
 
 自傷行為や自殺企図, 自己批判, 薬物乱用などで、
 
 苦痛に満ちた恥の感情に 対処します。
 
 自分に問題があると自覚し、 プロの助けを求めます。
 
 このタイプの例は、 マリリン・モンローです。
 
○ 両タイプの特徴を示す人
 
 ふたつのタイプの真ん中、 あるいは
 
 一方に少しだけ偏ったところに 位置する人です。
 
 いい例は 故・ダイアナ妃で、 摂食障害, 自傷行為, うつ状態と闘う一方で、
 
 公の場に登場し、 慈善事業を行ない、 二人の息子を育て上げたのです。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 

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