朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

日本に行きたくない観音さん

2012-03-15 | 中国仏教寺院2012
普陀山の小島にいよいよ上陸しました。

ここは、中国の四大仏教名山(仏教聖地:五台山、九華山、峨眉山、普陀山)の一つで、観音菩薩が祀られ、年間360万人を超える観光客が訪れるそうです。平均すると、毎日1万人です。




この小島には多数の仏教寺院が林立しています。

なぜか?

今から約1100年も昔の西暦916年、中国への渡来僧である慧萼(えがく)が、中国留学を終えて日本に帰国しようとした際、日本に招来しようとして帰国の船に積み込んだ観音菩薩像が当地で日本に渡ること拒んだ(=不肯去)、つまり船がここから先に進めない事態となったという故事にちなんでいます。

その観音菩薩は「不肯去観音」と称されることになりました。当時の日本は、中国から見て大変な低開発国で野蛮な文化の遅れた地域と考えられたのでしょう。



東シナ海につきだした岬にお堂が建っています。



ご利益があると信じられているのか、真鍮の置物が参詣客の手でこすられてぴかぴかに光っていました。



普済禅寺が中心のお寺です。
このお寺に、かつてだ日本の大学大学院に留学されていた高僧がおられて、その方を表敬訪問しました。

お寺の形式は、まず、前にあるお堂には、布袋さんが、



その裏には、別の仏像が安置されています。いずれも金色に輝いていました。

その両脇には、四天王。



日本の寺院とは異なり、こちらの四天王は原色でしっかりと色づけされています。巨大です。迫力満点。

中国の長い歴史の中で、何度も政治的な廃仏が実行されたため、ほとんどの仏像や石碑が破壊されてしましました。最近では「文化大革命」で、毛沢東率いる紅衛兵たちに徹底的に破壊されました。現在の仏像はそのためかなり新しいのです。

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中国 仏教寺院 寧波から普陀山

2012-03-14 | 中国仏教寺院2012
関空を13:40に離陸し、約2時間半で上海に着陸(2012年3月2日)

現地の中国人ガイドの出迎えを受けて、専用バスに乗って空港を出発。立派な高速道路がつながっていました。この日は上海中心部には行かずに、郊外を走って西に向かいます。

道路周辺の農地やそこに建つ住宅はほとんどレンガかコンクリート造り3階建てでとんがった屋根をもつしっかりした建物が並び、中国の発展が少なくとも上海近郊の農村にも広がっていることを実感しました。

途中の高速道路サービスエリアでトイレ休憩。ついでに売店、結構大きい、に入って、PETの水、ビール、紹興酒を購入しました。缶ビールはバドバイザ(米国ブランド)が6元(100円)、サントリー4元、中国ブランド3元。水は0.5元。高速道路でアルコール飲料を売っているのは日本と違う点です。

杭州湾を横断する長大な橋が完成していて、それを渡って寧波に向かいました。



寧波(ニンポー)の町に入り、ホテルにチェックインする前に、このレストランで遅めの夕食となりました。



魚介類の料理が多数並べられて、大変においしく感じました。この一帯の料理は、油濃くなくて、野菜も多くてとても美味です。



地元ブランドのビール。かなり薄い。この「雪花」のビールは、その後もほとんどのレストランで出てきました。レストランで30元(500円)、高い、日本並みの価格、外人向けでしょうか。

ホテル(寧波大酒店)は大きな建物で、空調、水、風呂、電話、エレベータなどに不具合はありません。
飲料水はPETボトルでの提供ではなくて、洗面シンクの横に飲用水と表示された別の細い蛇口がついています。それでも多少心配だったので、部屋に付いている電気ポットで一度沸騰させて、サービス提供のお茶の葉(ティーバッグではなくて、葉が大きなまま入った小袋)を入れて飲みました。
さらに湯冷ましにして、翌朝の歯磨きに使用。

翌日は、船に乗るため早朝に出発。1時間ほど走って波止場に到着しました。



この地図で、一番左にある島が「普陀山」です。大きくはない中型の快速船で約70分。



海の色は黄土色。杭州湾に流れ込む河川の水の色ですが、上流での緑化が遅れているため土砂が流れ込んでいます。この季節は雨が多いのでその影響もあるのでしょうが、土砂が流れ込むのは大地の浸食が進み、田畑が壊れ、河川が土砂で底上げとなり洪水の危険性が高まります。港の底も浅くなる。

上流で防砂ダムなどが必要ですが、まだそこまで手が回らない。



普陀山の港に到着。港のターミナルには、どこから来たのかすごい人数の参拝客で一杯でした。
このターミナルから島内に入場するのに、160元の料金が必要です。この金額は約2,000円相当で、中国の物価水準は日本の1/5~1/3程度ですから相当な高額だと思います。
ですが、それだけこの島に来て、観音さまを信仰することが価値あるとされていて、この人気の高さとなっています。

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中国 仏教寺院 訪問

2012-03-11 | 中国仏教寺院2012
2012年3月上旬、中国、「江南に遣唐使の足跡を訪ねて」の旅に出かけました。


 (表敬:普済寺(普陀山)にて)

仏教研修です。
関西空港を出発し、大学同窓会長でもある長老の藤島先生をリーダーとする20人規模のこじんまりしたツアーに参加しました。

4泊5日の日程。最初の日と最後はほぼ移動日となるので、中の3日は結構密度の濃い研修旅行でした。宿泊したのは:

1.寧波(ニンポー)[現代中国文字の「寧」は、ウ冠に丁]
2.普陀山(東シナ海の小島)
3.天台山(やや内陸の山岳地帯)
4.上海



通過したルートはこの地図ですが、「上海」から「天台山」まで約400kmくらいの距離。


引用:「清の衰亡と辛亥革命1898」最新世界史図表p.198、第一学習社

でも中国全体の大きさからはごく一部。この図の真ん中に、「上海」「寧波」「杭州」といいう地名が見えます。

上海は、九州の西南西1000kmくらいになります。
この中国地図のさらに西にはチベット、ウイグルがあり、北には東北省があるのですから、やはり中国はとてつもなく広大です。
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