確か、二昔前であれば、6月月末平日の最終日1日前が上場企業の株主総会の集中日でした。(今日)
時代がかわって「総会屋」なる職業が衰退し、しかしコンプライアンスや内部通報制度、IR情報公開が進展して、暴力的言動あるいは議事妨害をする(それを回避する対価目的)風景はほとんど見なくなりました。
ただし、東電など電力会社には一株株主(一株は単位株)多数が事前に株主提案書を提出して出席していると報道されています。株主総会の決定規則は参加人数の過半数ではなくて株式保有数に比例した決定(法定重要事項は過半数より大)です。
数字だけからいえば、総会に集合してくる一般株主は全部集めても誤差範囲程度の株数でしょう。
久しぶりに、大会社の経営陣の「緊張した雰囲気」を味合うために、この会社の総会に出席しました。(受付番号1870!)
もはや数少ない関西に本社をおく会社です。
社長は、創業家(100年前)の御曹司で52歳。総会資料の「大株主」リストをみると、創業家の株式保持会社が12%超、母上らしき個人が2%強、社員株主会らしき組織が6.5%、公益法人(創業家ゆかり?)が2.8%となっています。
総会の議事進行は社長が弁舌さわやかに淡々と仕切っていきました。事業報告もよくまとめられていてスライドを活用してわかりやすい説明でした。久しぶりに、「経営用語」を駆使する事業報告を楽しく拝聴しました。
参加者の多くは中高年でしたが、女性が意外に多く2割弱はいたようです(着席周辺のサンプリング値)。
質疑応答になると、2000人収容のホテル大宴会場の各所に控えた女性社員たちが、さっと(アルファベットを記した)プラカードを掲げました。議長の社長はその記号を見ながら、手を上げた人を指名します。最初の人は、いかにも社員株主ではないかと思われる質問。
その後は、淡々と、一般株主の質問が続きました。多くは「消費者」としての質問で、こんな商品がほしいとか、こんな行事にスポンサーしてほしい、テレビコマーシャルへの希望など。ポディアム(壇上)の役員はすべて50代以上の男性。そこで、質問があり「女性の幹部育成」をどう考えているかと。社長の答弁は(多分、想定質問あり)、「弊社は総合職の女性新卒採用の拡大が遅れた(20年も前の話、先代の責任)、そのため役員候補となる部長クラスに女性がいない、しかし課長職に41名いる。また、本日も皆さんからは見えないとおもうが、後ろの低いところに登壇者をサポートする社員として数人が座っているがそのうち3名が女性。現在の新卒採用では総合職の男女比は同数」でした。
質問者がいなくなるまで、十数人の質問に答えました。決議事項の採決は「賛成者の拍手、賛成多数」で議長が決定を宣言。(えぇ!)
10時から始まった総会は11時半ころ終了。
十数年前に、とある大手企業の総会に何度か社員株主あるいはサポート要員で参加しました。社員株主は受付30分前から並び最初に入場して最前列の数列に座りました。いざとなったら社長に突進する特殊株主の進路を塞ぐため体格の良い人が選ばれた(かも)?。ポディアムの下のよく見える席に顧問弁護士数人が陣取って、議事妨害への答弁拒否に備えました。リハーサルも1,2度。当時の社長等がそこまで「総会屋」や過激な野党支持者などを恐れてたのです。
こんなお土産を頂きました。
まあ、数百円くらいのものですが、まあ嬉しい。
交通費の補助程度は、法令でも許容されているのでしょう。
午前中の総会だったので、帰路、ランチのため電車から京橋で降りて(総会会場のホテルは中之島なのでレストランなどは超セレブ、年金生活には高値の花)、大阪名物「お好み焼き」を
探したのですが、見当たらなくて、ここ、珉珉で餃子定食ランチにしました。うまかった。