昨日の新聞、テレビやインターネット記事には若い日本女性研究者の発見が大きく報道されていました。
Bidirectional developmental potential in reprogrammed cells with acquired pluripotency
Haruko Obokata, Yoshiki Sasai, Hitoshi Niwa, Mitsutaka Kadota, Munazah Andrabi, Nozomu Takata, Mikiko Tokoro, Yukari Terashita, Shigenobu Yonemura, Charles A. Vacanti & Teruhiko Wakayama
Nature 505, 676–680 (30 January 2014) doi:10.1038/nature12969
Received 10 March 2013 Accepted 20 December 2013 Published online 29 January 2014
内容の革新性は実はよく理解できません。もしマウスの血液細胞だけでなく、ヒトの細胞で同様なメカニズムが働くとすれば、多分すごいことが医療や創薬業界にて今後10年で起こりそうです。人間がさらに長生きになるかもしれません。
理化学研究所という国立の研究機関で、30歳という若さで筆頭著者として論文発表できることや「ユニットリーダー」という肩書も、女性研究者地位向上の事実に驚きました。とてもいいことです。
女性研究者ということで、思い出した事例があります。
ロザリンド・フランクリンなる英国の女性のことです。
場面は、同じNature誌、1953年にこの著名な科学雑誌に「DNAの二重らせん構造の発見」を報告する論文が掲載されました。その大発見により、1962 年のノーベル生理学・医学賞は、ジェームス・ワトソン、フランシス・クリック、モーリス・ウィルキンスの三人にもたらされました。
しかし、実は、その発見の裏には極めて重要な役割を果たした、また最初に二重らせん構造のアイディアが閃いたフランクリン女史の業績があったのです。
DNA分子結晶の構造を解析するには、X線による実験が必要です。当時はX線の有害性が認識されていなかったので、彼女は若くしてガンで死亡してしまいます。自分の名前が論文著者として掲載されなかったことも知らされませんでした。
そのあたりのストーリーは、このエッセイに詳しく書かれています。フランクリンは「気難しく、ヒステリックなダークレディ」と揶揄されていました。また、Wikipediaの記事はここ。そして、ここにはノーベル賞受賞者の「剽窃」と書かれています。
この事例は、科学研究者の倫理問題として、最近欧米では広く知られるようになっています。
民主的、公正なイメージのある英国の科学界でも、当時は女性蔑視がまかりとおっていたようです。
上記写真は、京都新聞夕刊(2014-01-30)
~~追記~~
「ここがよかった! GCOE ハーバード留学体験記 - 小保方晴子 氏」へのリンクは、下記:
http://www.waseda.jp/prj-GCOE-PracChem/jpn/newsletter/img/GCOENL01_C.pdf
追記2
「割烹着は、日本女子大の理科実験のための作業着として作られた!」
http://nosumi.exblog.jp/20296694/
Bidirectional developmental potential in reprogrammed cells with acquired pluripotency
Haruko Obokata, Yoshiki Sasai, Hitoshi Niwa, Mitsutaka Kadota, Munazah Andrabi, Nozomu Takata, Mikiko Tokoro, Yukari Terashita, Shigenobu Yonemura, Charles A. Vacanti & Teruhiko Wakayama
Nature 505, 676–680 (30 January 2014) doi:10.1038/nature12969
Received 10 March 2013 Accepted 20 December 2013 Published online 29 January 2014
内容の革新性は実はよく理解できません。もしマウスの血液細胞だけでなく、ヒトの細胞で同様なメカニズムが働くとすれば、多分すごいことが医療や創薬業界にて今後10年で起こりそうです。人間がさらに長生きになるかもしれません。
理化学研究所という国立の研究機関で、30歳という若さで筆頭著者として論文発表できることや「ユニットリーダー」という肩書も、女性研究者地位向上の事実に驚きました。とてもいいことです。
女性研究者ということで、思い出した事例があります。
ロザリンド・フランクリンなる英国の女性のことです。
場面は、同じNature誌、1953年にこの著名な科学雑誌に「DNAの二重らせん構造の発見」を報告する論文が掲載されました。その大発見により、1962 年のノーベル生理学・医学賞は、ジェームス・ワトソン、フランシス・クリック、モーリス・ウィルキンスの三人にもたらされました。
しかし、実は、その発見の裏には極めて重要な役割を果たした、また最初に二重らせん構造のアイディアが閃いたフランクリン女史の業績があったのです。
DNA分子結晶の構造を解析するには、X線による実験が必要です。当時はX線の有害性が認識されていなかったので、彼女は若くしてガンで死亡してしまいます。自分の名前が論文著者として掲載されなかったことも知らされませんでした。
そのあたりのストーリーは、このエッセイに詳しく書かれています。フランクリンは「気難しく、ヒステリックなダークレディ」と揶揄されていました。また、Wikipediaの記事はここ。そして、ここにはノーベル賞受賞者の「剽窃」と書かれています。
この事例は、科学研究者の倫理問題として、最近欧米では広く知られるようになっています。
民主的、公正なイメージのある英国の科学界でも、当時は女性蔑視がまかりとおっていたようです。
上記写真は、京都新聞夕刊(2014-01-30)
~~追記~~
「ここがよかった! GCOE ハーバード留学体験記 - 小保方晴子 氏」へのリンクは、下記:
http://www.waseda.jp/prj-GCOE-PracChem/jpn/newsletter/img/GCOENL01_C.pdf
追記2
「割烹着は、日本女子大の理科実験のための作業着として作られた!」
http://nosumi.exblog.jp/20296694/