小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

クジラとサカナとトリと。

2021年02月28日 | 母島 暮らし 子供
■令和になっての天皇誕生日。
この日はPTAのホエールウォッチングの日でした。

延期に延期を重ね、ようやく訪れた冬の束の間の海が少し穏やかな日。
去年は家族で青ヶ島や八丈など内地に行っていて2年ぶりの参加です♪

カヌーで沖に行って出逢うと、ドキドキです。

その巨体の存在感に。

今回はPTA保護者の漁船に乗っての観察なので、もっと安心してクジラを観察できます。
漁師さんもクジラにも人にも優しい操船でした。

僕が乗った最後の班は、酔いやすい子が多めの班だったので、
心配でしたが、子ども達は酔うことはありませんでした。
(海風に寒いと眠いはありましたがw)


祝日の昼下がりと言う時間のせいか、
割と穏やかな母子のクジラを多く見かけました。

7群16頭。
その中に2頭ほど、メスを狙うエスコートと呼ばれるオスもおりました。

エスコートと言う言葉が謎に思えるほど、
母子に付きまとい、メスを狙っています。
そう、クジラたちは小笠原の冬に繁殖に来ているのです☆


小さな背中の小クジラの横で一気に潜る母親。
ザトウクジラはこの尾びれの模様で指紋のように個体識別をしています。

見付ける時はだいたいはブロウ(潮吹き)を探します。
意外と結構浅い海域を好むので、
冬場の発見は容易です。

こうしたイベントをPTAで実施してもらえる母島は最高です♡
もちろんその為の事前、当日調整の校外部の皆さんや、
船を操船してくれる保護者の漁師さん達に感謝です♪

この日は我が家にとっても、色々と大きな出来事がありました。
大切な人と過ごした時間、
めぐる命。

地球の壮大な生命が織り成す世界に想いを馳せました。

長女も遠く離れたカナダでとてもいい事があったようです。
目指していた成績の表彰を受けたり、
その土地に溶け込めているってことを、
存分に感じれたようです。

全然近くにいて欲しいとは微塵も思いませんが(笑)、
元気でいて欲しいと、いつも思っています。

母親とはよくSNSでやりとりをしているし、
そんな事も容易な時代ですが、
僕にとってはその時々の連絡が心配であったり、
嬉しくも会ったりします。


同じ哺乳類のクジラたちも、
巣立った我が子の事を想ったりするんですかね~

もっと淡々と生きている気もします。

動画も撮りました。
島の子供が「子ども連れって事は、すぐに上がって来るよね~」とか普通に話しているのがいいですね。

そう、子どもは呼吸のサイクルが大人よりは短いので、
母クジラもそれに合わせて浮上してくるのです(*^_^*)


■そんなホエールウォッチングの前日。
昨日は夕方に「まいど~魚屋で~す」と威勢のいい声が☆

漁師さんに立派なカンパチを頂きました!
すぐさま「私が捌きたい!」という次女。

次女は小さな頃から(今も小さいけどw)、魚を捌くのが好きです♪
特に内臓の観察が大好きで、
どんな部分なのかを毎回よく調べます。

同級生に釣りの名人の男の子がいて、
彼は釣ったら、その場で鱗と内臓を出して、きちんと処理している様を見ているので、
次女にとっても当たり前なのかもしれません。

僕も横で口出ししつつ、鱗取り、内臓、3枚おろし、皮挽き、刺身盛り合わせまでこなしました♪
包丁さばきが上手になって来ました(*^_^*)


冬のカンパチは脂がのっていて、美味しいです♪

やるな~もうすぐ6年生!!
おやじは大人になるまでそんなことできなかったぞ!!
(そもそも、まな板を超える魚が家にある事がなかったw)
大人になって、父島のユースホステルで働いていた時に習ったのが、
今の魚捌きの基礎になっています。

我が家ではもっぱら僕の仕事です。

そんなマリアを横目に、
おやじはアラ煮を作っておりました♪

頭と脊髄周辺や皮など、食べれる部分は全部食べます。


刺身の手前の渦巻きは薔薇だそうです。

新鮮なカンパチはプリップリでとっても美味しかったです♡
もう半身は明日に取っておいて、身の熟成中!
収穫当日と、2日後の味と身の変化も検証(#^.^#)
いつも美味しいお魚をありがとうございます♪


■少し前の節分のブログ記事で、母島の漁協売店が移転すると書きました。
店員さんも移転作業を頑張りに頑張り、2/8の入港明けからリニューアルオープンとなりました♪

前のお魚センター(漁協事務所の下)が新しい店舗です。

みんな新しいお店のリニューアルにドキドキワクワク。
「なんか雰囲気がコンビニみたい♪」
と、島の日常に新し風が吹いていました(*^_^*)

初オープンの日に夕方言ったら、島の友人がいたので声をかけたらポーズを取ってくれました☆

段ボールで作られたこの看板のローカルさがいいです♡


今年の2月は例年よりも暖かく、毎週末が海が悪い印象の2月でした。
でも晴れた日はやっぱり気持ちのいい景色を魅せてくれます。

素朴で小さいけど、大自然に囲まれて、
みんなが楽しく過ごしている母島が僕は大好きです☆



■2年前の大被害を及ぼした台風21号のあとは、全然姿を見せなかったアカガシラカラスバト。
この冬は割と多くの場所で見かけるし、畑でもよく鳴き声を聞きます。

天然記念物であり、小笠原にしか生息していないこの鳥も、ほんの10年前までは見ることが珍しい幻の鳥でした。

保全計画作りワークショップが実施され、ネコ対策が進むと数年で時々見かける鳥になりました。
まだまだ絶滅危惧種から外れるには程遠いそうですが、
みんなが知らない幻の鳥が、こうしてメジャーな存在になった時代を過ごし、
人の影響の大きさを感じさせられます。

そんな人の事は関係あるのかないのか、
このシーズンは渡り鳥のツグミを多く見かけます。

40羽くらいいるんじゃないか、ということです。

クジラもトリもサカナも大海原を超えて、小笠原にやってきます。

太平洋の小さな島で暮らす僕たちには計り知れない、
地球のスケールを存分に使っている存在、
その存在を感じれることが、
また少し自然に対して謙虚にさせてもらえるきっかけになっています。

いのちは巡り、時は流れ、
今年は僕は40歳を迎えます。

39歳で亡くなった父。

55歳で亡くなった母に比べて、
圧倒的に早くに他界したので、
僕には「〇〇してあげたかった」と思うにも幼すぎました。

今では、
一緒に飲んでみたかったなとか、
色んな話がしたかったなとか思います。

きっととうの昔に生まれ変わっていて、もっと身近にいるのかもしれませんね。

千の風になって。