もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

NETFLIXが映画を変える?

2019年02月04日 | 芸能

 一部の映画館でしか公開がなく、主としてネット配信されるNETFLIX社製作の「ローマ」がアカデミー賞にノミネートされ、何らかの賞を得る可能性が報じられた。

 報道によると、NETFLIXはDVDのレンタル事業から出発、現在は他社映画のネット配信のみならず独自に映画製作を行う大企業で、IT大手のGAFAに同社の頭文字Nを加えて「FAANG」とも称されるらしい。映画製作はいはゆる「金は出すが口は出さない」方針であることから、収益重視の他社が興味を示さないような野心的・革新的な作品作りを目指す人々から熱烈に支持されているそうである。しかしながら、映画祭等の賞レースでは、「映画は映画館の大スクリーンで見るもの」であり映画館で公開されない同社の作品は門前払いされていたが、べネチア・東京・ゴールデングローブ賞で高く評価され、アカデミー賞のノミネートに至ったものである。自分も高校生以後多くの映画を映画館で観たが、毎日が日曜日の状態となって以降いつしか映画はCS放送やDVDで観るものになり、映画館に足を運ぶことは年1~2回になってしまった。映画館で観る場合、館内の照明が落とされた時点から高揚感を以て別世界に移動して、暗闇のスクリーン上に繰り広げられる世界にのめり込んで、主人公に自分を投影できるものである。その証拠に、裕次郎映画がハネて映画館を出る若者の多くが裕次郎さながらに足を引き摺っていると云われたこともある。一方、DVDで観る映画は映画館に行く手間や上映時間に縛られないとともに、細切れに視聴できる利点はあるものの、現実世界の明るい照明下では、画面上に繰り広げられる物語はあくまで空疎な2次元世界であり仮想空間に誘い込まれることはない(ホームシアターで鑑賞できる人は別であろうが)。そんなわけで自分も「映画は映画館の大スクリーンで見るもの」という意見に賛成するものであるが、幼時から小さな液晶画面での仮想空間に入り込むことが常態化・日常化している若年者は、映画に対しても別の意見を持っているのだろう。NETFLIXのユーザー(有料)は、全世界で1億6千万人を超えているそうで、NETFLIX日本のHPを見ると月額料金は最大1800円となっていた。

 昨日のブログで日本会議の活動が有料会員のサロン的雰囲気で草の根的な底辺拡大に繋がらないと愚痴ったが、知的欲求を含むすべての欲求は、何らかの投資なくしては満たされないものであることを思い知らされた。とは言え、暇つぶしにはCS映画・DVDで十分、話題作・超大作は映画館で観よう。