もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

対新コロナ頑張りに思う

2020年04月05日 | コロナ

 新コロナ肺炎において、変な頑張りが感染拡大に手を貸しているように感じられる。

 あるテレビ番組で飲食店経営者が「こんな時だからこそ頑張って店を開けている」と述べていた。また「こんな時だからこそ」という言葉をを冠して、音楽を届ける・楽しみを届けるためにライブを行ったり文化事業を続けていることも報じられるが、究極の頑張りは緊急事態宣言を見送っている政府ではないだろうか。10日前でも「ギリギリ持ちこたえている」としていた政府であったが、感染者数が急昇する今になっても緊急事態を宣言しない真意はどこにあるだろうかと考えざるを得ない。識者とされる人の多くが学校閉鎖要請は時期尚早としたが、今になってみれば感染拡大に一定以上の効果があったものと思わざるを得ないし、時期尚早とした識者も一転して効果があったと評価している。ウィルスの潜伏期間(10日と仮定して)から昨日の感染判明者(346人)は10日前に感染したものであり発病までの間に多くの人に感染させているだろう。厚労省は専門家会議の見解として「感染者の8割が他者に感染をさせていない」としており、WHOは1人の感染者が何人に感染させるかを示す「基本再生産数」を1.4~2.5と推計している。この推計を基にして感染者の2割が2.5人に感染させた場合、10日後の感染者は346×0.2×2.5=173人となる素人計算が成り立つが、日本の感染者とは発症した人を指しており症状が出ない感染者が多数存在していることは諸外国の感染者数から見て明らかであると思うので、この計算式が成り立たないことはネズミ算的な感染者の拡大からも明らかである。また、一人で10人以上に感染させる体質の人を「スーパースプレッダー」と呼ぶそうで、SARS流行時の中国で「毒王」と呼ばれたスーパースプレッダーは130人に感染させたともされている。もし発症しない小毒王がいた場合には、二次関数曲線以上の曲線を描いて上昇することは目に見えているように感じられる。飲食店経営者や文化イベント主催者の、就中政府の、「頑張り主張」が感染拡大を助長しているように思える。安倍総理も学校閉鎖で示した決断力を発揮するよう期待するものである。

 民法テレビでグルメ番組や飲食店紹介のシーンが相も変わらず流されることも不思議な現象である。報道番組で外出自粛を促す傍らで、外出・外食を促すかのような番組編成は如何なものであろうか。将に不要不急の放送を続けるよりは、休校で家に閉じ込められている子供向けのニュース解説などの外出自粛に寄与できる番組に転舵できないものだろうか。これまで娯楽一辺倒の番組編成であったため、人員や設備とりわけスポンサーを翻意させることは容易ではないだろうが、終息には1年余を要するとの悲観的な観測(政府もワクチンの流通は来年の1月頃と見積り)もあるので、長期戦に沿った戦略転換が必要と思うのだが。