京大の望月新一教授が数学の超難問である「ABC予想」を証明したと報じられた。
報道ではアインシュタインにも匹敵する偉業とされているが、教授の理論を理解できる人は世界に10名程度とされているために、これまで論文の学内査読だけでも7年を費やし、国際的な検証には更に数年はかかるとされているが、教授の理論を応用すれば他の未解決難問の証明も可能とされている。勿論、教授の理論を理解できるはずもなく、理論の名称すら何のことやら解らないが、代数を幾何学的な視点・手法で融合・考察したものであるらしい。学術的は面はさておき、教授の人となりは我々のイメージと一部異なっているようである。我々が天才数学者に抱いているイメージは、2006年に「ポアンカレ予想」解決の功績で受賞が決まった「数学界のノーベル賞とされるフィールズ賞」を辞退し、当時は母とロシアで、現在は妹夫婦の滞在先のスウェーデンで、趣味のキノコ狩りに熱中しているとされるロシアのペレルマン氏のように社会性とは全く無縁に生き、年中ブツブツと呟いているオタクの極致・仙人であるが、教授は国際交流や旅行は苦手で研究室に閉じこもる生活であるものの、ブログでは紅白出場アイドルグループの感想、国際情勢・社会・文化を数学的(?)考察で綴っていたり、全録レコーダを駆使してテレビを楽しむという社会性を持たれた方であると聞けば、そこはかとない親近感を持つものの、5歳で渡米、16歳でプリンストン大入学、19歳で卒業と聞けば尋常でない「ただものでは無い感」が感じ取れる。「群盲像をなでる」を承知で、教授が籍を置く京大と東大を比較してみた。過去のノーベル賞受賞者数はそれぞれ8名と同数であるが、東大出身者には平和賞の佐藤栄作氏、文学賞の川端康成・大江健三郎氏が含まれていることを思えば、自然科学分野での京大優位は明らかとも思える。さらには、山中伸弥氏のように他大学卒業者でありながら京大研究室での実績で受賞した人を加えれば、京大ゆかりの受賞者は10名となることから、ことノーベル賞に関しては京大圧勝の感がある。入学の難易度はやや東大が高いようであるが、自然科学分野における卒業後の世界的評価では京大に軍配を挙げたくなる。学生や研究者にとっては、未知への挑戦を容認する自由な学風が京大にあるのだろうかとも思うところである。
コロナウィルスに占拠された世相でも、自分と全く無縁であるが日本人の快挙には、ホッとさせられる。いや自分とは全く無縁ではないぞ!。今年小学校に入学する孫には東大を目指せと云い聞かせているが、京大を目指せと方向転換すべきかもしれない。恐竜と戦隊ヒーローには秀でているから、京大も夢ではないだろう(笑)。