本日は、人と呼ばれることを覚悟しての暴論である。
現在、緊急事態措置における休業補償の範囲や額に対する議論が喧しい。休業補償は、政府・自治体からの休業要請を受けた職種・企業に対して、要請に協力したお礼としての「協力金」という形での支給が考えられているようであるが、個人の経済活動の逸失利益を税金で補填することは不適当であると考える。商売、経済活動の原則は需給のバランスの上に成り立っており、需要が減った場合に供給元が損失を被るのは避けられないものと考える。お客の来ない店がつぶれるのは致し方のないところで、お客の来ない大きな原因が外出禁止要請であるとしても、天変地異対処の非常措置であれば経営者は当然のリスクと受け止めなければならないのではないだろうか。ドイツやフランスから伝えられるのは、企業に対して雇用者の給与の何割かを国庫負担するもので、そこには経済活動を保護する意図よりも、雇用の継続による被雇用者の生活扶助の意味合いが大きく、アメリカなど多くの国で国民に対して一律に現金を支給することを検討しているのは、国家は国民一人一人の生命を守る義務はあっても、個人が自由意思で行う経済活動に対しては公共良俗に反しない限り関与しないし何等の恩恵・保護も与えないというという、法治の・自由経済の原則に依るものであると思う。日本では今までのところ個人事業主や小規模企業の救済の観点から論議されているが、法と行政の公平性から考えれば外出・イベント自粛要請によって利益を失ったデパート、運輸業者、興行主、投資家、芸能人、アスリート、芸術家、職人、・・・等々、全職種・全企業に対しても休業補償(協力金)を公費で補償しなければならないと思う。こうなればGDPのマイナス分の全てを国費・公費で補填することになり、全国民が公務員・全企業が公営企業と同様で日本が破綻すことになるだろう。過去には経営破綻した金融機関や大企業に対して公的資金を投入して救済し、日航のように半国営企業化してまで保護してきた時には、私企業を保護するために税金を使うことに異議・正論を唱える人が多かったが、今回の中国ウィルス禍ではとんと聞かれない。
個人事業主や中小企業に対して繋ぎ資金融資のハードルを低くしたり、返済猶予期間を設ける程度の支援策は容認すべきと思うが、協力金と云う体の休業補償はされるべきでないと思う。経済活動にはリターンも期待されるが当然にリスクも存在することを起業に当たっては十分に考慮したはずである。中国ウィルスによって引き起こされた外出自粛要請はリスクが顕在化しただけであり、公的な補償を求めるのは筋違いと考える。