三陸沖で捕れたミンククジラの販売が好況であることが報じられた。
IWCからの脱退によって可能となった商業捕鯨は4月から始まったが、操業開始当初は鯨食の減少などから需要・販売に悲観的な見方が強かった。報道によれば、商業捕鯨では鯨肉の味と鮮度を保つ血抜きなどの作業が船上で行われるために、調査捕鯨時の鯨肉と比べ遥かに美味しくて新鮮な鯨肉が提供されているようである。調査捕鯨時にあっても近所のスーパーに鯨肉が並ぶことはめったになかったために遠くまで出かけて入手していたが、中国コロナのために其れも叶わぬ状況である。報道を見て「鯨肉通販 宮城県」と検索したがヒットせず、既存の通販サイトは所在地などから調査捕鯨時の貯蔵品ではないかとの疑心に駆られており、国内で流通する鯨肉が概ね商業捕鯨肉に置き換わったと推測できるまで、若しくは外出自粛が解除されるまで三陸クジラの賞味を辛抱することにした。自然保護論者は鯨食を「羅刹の所業」となじるが、人間が食物連鎖の頂点である限り致し方のないところと思う。しかしながら、この論を推し進めることはウィルスの宿主である野生動物食のために武漢海鮮市場を必要とした中国擁護ともなりかねないので当分黙っていることにしよう。筆(キーボード)に任せて鯨食を「羅刹の所業」と書いたが、「羅刹」の正体を知らないことに気付いたので勉強した。以下は、コトバンクに記載されている各種辞典を自分なりに統合編集したものであり、読まれる方は眉唾をお願いする。
羅刹は、サンスクリットのラークシャサを語源とし、インド神話やインド民間信仰に現れる悪鬼で、通力によって姿を変え人を魅惑し人の血肉を食うという。水を棲み処として、地を疾く走り、空を飛び、闇夜に最強の力を発揮し夜明けとともに力を失うといわれ、男は醜悪で女は極めて美麗、のちに転じて仏教の守護神(羅刹天・羅刹女)となった。羅刹天は、日天・月天(がってん)とともに地上界の上下と四方(東西南北)・四維(南東・南西・北西・北東)の8方位の10方を守護する12天の一つとなった。像は神王形で、甲冑をつけ、刀を持ち、白獅子(しろじし)に乗っており、地獄の獄卒も兼業しているらしい。ちなみに12天(カッコ内は守護又は配置の方向)とは、帝釈天(東)・火天(南東)・閻魔天(南)・羅刹天(南西)・水天(西)・風天(北西)・毘沙門天(北)・伊舎那(いしゃな)天(北東)・梵天(上)・地天(下)・日天・月天である。仏教では、天界を守護する四天王(持国天・増長天・広目天・多聞天)とともに地上界を守護する12天は重要な存在であり、神話では悪鬼とされる羅刹天も敬うべき存在である。日本では12天の中の毘沙門天が七福神にまで昇格しているが、出自が災いしてか羅刹天は悪像のままに留め置かれており、不当(?)に差別されているかのようである。、