【ブレーメン(ドイツ)時事】ドイツのブレーメンで9日まで行われた世界空手選手権で、身体にハンディを持つ選手による第1回大会が同時開催された。日本は2人が出場し、視覚障害部門で大庭康資(ユニバーサル松濤館連合)が銀メダルに輝いた。
大庭が決勝で披露したのは「燕飛」の形。自在に舞うツバメがテーマで、ジャンプが入った高難度の演武だ。大きなミスなく演じ、全盲と感じさせない迫力もあったが、「緊張した。反省点もある。(表彰式で)君が代を聞きたかった」と、ちょっぴり不満も残った。
大庭は、エキシビションとして行われた2年前の前回も参加。当時は「次は、目が見えるんじゃないかと思われる形を披露したい」と話していたが、この日は「まだまだですね」。さらなる精進を誓った。
知的障害の部門には、柴田一哉(北海道松濤明武会)が出場。大舞台でいつも以上の演武を披露できたというが、惜しくも決勝には進めなかった。それでも、「思ったように演武できたし、100点」と笑顔を見せた。
五輪・パラリンピックの正式競技入りを目指し、世界へのアピールに力を入れる空手界。大庭は「パラリンピックが決まれば、競技人口も増える。励みになる」と期待していた。
(2014/11/10-16:18)時事通信