宇都宮市で10月、全盲の男性が目的地と違う場所でタクシーを降ろされた後、車にはねられ死亡した事故を受け、県タクシー協会(植原和信会長)は13日、宇都宮市内のホテルで、視覚障害者への接客や乗降対応を学ぶ初めての講習会を開いた。
死亡した男性は自宅マンションから約300メートル離れた別のマンション前で降ろされた約20分後、道路を横断中にはねられた。遺族は「乗務員が目的地をしっかり確認してほしかった」と悔やみ、男性を乗せたタクシー会社は事故後、遺族に謝罪していた。
講習会には県内71業者の代表者ら約90人が参加。須藤会長は、乗務員が視覚障害者に周囲の状況を説明する際は「あの角を曲がってすぐ」などの抽象的な表現は避けることや、「降車後に利用者が目的地に向かっているか見届けてほしい」などと説明した。
質疑応答では、「女性のお客様をどう誘導すればいいのか」「盲導犬を連れた方にはどう対応すべきか」など活発な意見交換が行われた。須藤会長らは「乗務員のひじや肩に手を掛けてもらう」「盲導犬利用者は、ドアの場所さえ確認できれば自分で乗り込むことができる」などと丁寧に答えた。