10月15日、20日のブログで、企業型DC(総合型)で退職金制度を導入し
た場合と中小企業退職金共済を使った場合との、企業の負担額の違い
をお伝えいたしました。
保険商品を従業員の退職金の準備手段として使った場合と比較しても、
同じように企業型DCのほうがコストを抑えることができます。
保険商品を退職金の積み立て手段として使う場合は、『企業の運転資金
に流用したい。』ということがあると思います。
キャッシュフローがマイナスのとき、解約しないまでも契約者貸付に利用
したいと、お考えになる事業主も多いと思います。
契約者貸付ではなく、更に資金繰りに窮してくると、解約ということにもなり
ます。
事業主に考えていただきたいのは、退職金制度は何のために作るのかと
いうことです。
・企業の資金繰りのためか
・従業員の勤続、貢献に報いたいのか
二兎は追わないほうがいいでしょう。
従業員の退職金は、『退職金規程』がある限り、支給する義務が事業主
にはあるからです。
では、会社の資金繰りのためには、どうしたらいいか?
保険商品では、保険料の半分が損金になる、あるいは全額損金になる、
これは魅力的ですよね。
この機能は、従業員の退職金準備のためだけでなく、事業主や役員の
退職金慰労金の準備のためにも使えます。
役員退職慰労金は、定款の定めと株主総会の決議が必要です。
企業に利益がないときなどは、役員退職慰労金は支給しなくて済みます。
この点が従業員の退職金と違います。
ですから、企業の資金繰りのために保険商品を使うなら、役員退職慰労
金で行うべきです。
従業員退職金はコストを抑えて、支払うべき金額はきちんと支払う。
そして生じた余裕資金で、役員退職慰労金を充実させましょう。