大好き!本・花・旅

日ごろ読んだ本や花、旅について綴ります。

千の風になって ちひろの空  新井満

2007-01-09 20:00:39 | Weblog
 命の詩にちひろの絵がつきました。著者は、中央アルプスのちひろ美術館を訪れたとき、9300点以上の絵の中でも赤い風船を持った子供の悲しそうな目に惹かれる。それは、自分の幼いころ、父が不慮の死を遂げた時の自分の目そのものであったことに気づく。突然の別れで父がもっとも気にかかったのは、小さな息子の自分だったのだと知る。「いつも風になって、君を守っているよ。だから悲しまないで。」それからは、不思議と父の「風」を感じれるようになった。
 体の弱かった自分が父が亡くなった後、不思議といつも病気や不幸を見事に乗り切ってきたことに気づく。この文を読みちひろの絵を見ると、じ-んと暖かい気持ちが体中に広がってくる。そして突然、青空に、気持ちのよい風に吹かれゆらゆらといつも満足そうにうなずいている赤い風船が見えたような気がした。
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