劇団文化座の「旅立つ家族」を見ました。
天才画家と呼ばれながら、貧しさと寂しさの中、39歳で夭折したイ・ジュンソプの芸術世界と妻・山本方子との愛を描いた作品です。
ラストシーンは彼の代表的な作品、牛と家族を引き連れているシーンが、動く3Dな作品として登場しました。感動で拍手が鳴りやみませんでした。立ち上がってカーテンコールをしたいほどでした。「素晴らしい劇をありがとう」「がんばったでしょう」とほこらしい演技者と観客の交流ができました。「仕事を休んでも見られ」との口込み通りです。
演技、照明、音楽、創造性あふれる装置、舞台転換、映像、演出、脚本、若者たちの群集劇、歌、踊りが総合された素晴らしい舞台でした。佐々木愛さんの語り部が劇を引き締めていました。
日本の植民地化、第2次世界大戦、朝鮮戦争、南北分断という激動の時代の中で、生きた彼。悲しい時代に生まれてきたが、好きな絵を描き、家族を愛した彼。
彼の美術館をぜひ訪れたいと思います。