富山県美術館で、東山魁夷の講演会がありました。
講師は、茨城県近代美術館の尾崎正明さん。
東山は、鑑真への尊敬の想いから、自然のスケッチ1年、鑑真について1年など十分な準備をし、並々ならぬ決意で11年かけて障壁画を描いた。彼の集大成である。建物の全体の風景をこわさないようにした。
日本の最も美しい理想の風景を描きたいという強い想いが多くの人の共感を得た。
彼の絵は、強い精神性を表す青の世界である。
与謝野蕪村の絵に学び、鳥を一羽描いた。どこまでも広がる空間になった。
穏やかな春の海は、山口県の青島を描いたもの。俵屋宗達の構図によく似ている。
中国の絵は、第2期の意欲的な仕事で、にじみがおさえられている。
大仕事を終えて描いた雪の庭の小鳥の絵「白い朝」は彼の円熟の境地を表している作品だ。
東山魁夷の素晴らしさがよくわかる講演会でした。
コロナが少し収まり、このような講演会が聞けるのはうれしい限りです。