弱点みっけ！

私は、字が読めない。

なぜなら、帰国子女だから。（半分嘘、半分本当）

勤務時間をすでに１０分過ぎ、上がろうとしていた時・・・。

不幸なことに、豆腐の取引先のお兄さんが伝票持参でやってきた。

私の心は　すでに店の外～だったので、

「検品、いいですか？」

と、伝票を手渡された時、検品の仕方を一時的に　ど忘れしたのである！

下敷き付きの手書き伝票を読むように言われて、読み始めたのだが・・・。

繰り返すが、私の心は、すでに帰宅する方へ跳んでいた！選挙へ行かなきゃ行けないし、急がなきゃあ～～～！

「読んで下さいっ！」

と再び催促され、読み始めた。

「ええ～～っと、たまご豆腐」

「・・・・・？？？？？たまご・・・？」

業者さんが、伝票を覗き込んだ。

私も再び伝票を見た。

豆豆腐・・・と書かれてある。

「・・・（まめまめ・・・ふ　なんじゃ、こりゃ）あのお～、これ、何て読むんですか？」

すると、隣に居たカトちゃんが覗きに来た。

「まめ豆腐！おかしいなぁ。たまご豆腐なんて、頼んだかな？？って思いましたよ！（爆）」

あれれ？？カトちゃんが、豆腐を発注したの？？

そうそう、検品！

途中でカトちゃんに伝票を手渡そうとした。

「ごめん、カトちゃん、かわって！」

カトちゃんは、伝票は受け取らず、覗き込んだまま、すらすらと読み上げた。

視力もいいのね。老眼鏡無しで、こんなにすらすらと離れた位置から読めるなんて・・・。

感心していると、業者さんが私に言った。

「あとは、その伝票をガチャンして（日付け機械にかけて）サインして下さい」

「あっ！そっ・・・そうでしたね」

私、もしかして、今日が初出勤日でしたっけ・・・？？？

検品の仕方を業者さんから習うなんて。（爆）

いつもやってることですが。

何を思ったのか、顔見知り一年の豆腐の業者さん。

私が記憶喪失になっている！

日本語も読めない！

認知症の走りかも？？？

と、心配した模様です！

「すずさんの弱点が分かった！カタカナが読めないし・・・。

何故、検品したがらないのか・・・も。

こないだの・・・コカコーラの検品には、笑った！」

こっ・・・コカコーラ・・・。

確か、あれは・・・。

遠い初夏の日の午後・・・。

いつものように、コカコーラの業者さんが私を発見し、嬉しそうに伝票を渡した。

「お願いします！」

「コカコーラダイエットコカコーラスプライトコカコーラ・・・・」

コカコーラの伝票は、すべてカタカナで書かれてあるのだよ。

私、途中で必ずひっかかってしまい、舌をかみそうになる！

一度、引っかからずに　いい調子で読み上げていたら、最後の最後になって・・・。

「クースモモモ・・・・モモ・・・ん？？モモモスイ」

「ぎゃはははっ～～～っ！」

「・・・・？？？」

一体、いくつのモモモが・・・続くのだよぉ～～～！（泣）

「スモモモモスイ・・・ですね」

「スモモモモ・・・モモスイ・・・？？？」

「スモモ（ここで、一旦、切る！）桃水・・・です」

スモモ・・・モモスイ・・・スモモ・・・モモスイ・・・。

さあ、貴方も一緒に練習してみましょう！

せ～～のっ

スモモモモスイ！

完璧ですっ！（爆）

 

スモモモモスイに泣かされた数週間後、カトちゃんがプラットホームでコカコーラの検品をしていた。

すらすらと完璧に読んでいた！！

「さすが、元　飲料担当者！すごいね～！一度も引っかからずに読めるなんて！」

私は心の底から賞賛した。

「何処も、引っかかるような所は無いと思うけど？？」

というカトちゃんに、

「いいや。スモモモモスイ・・・で舌噛みそうになったよ！」

というとコカコーラのお兄さんもニヤニヤ笑っていた！

これが、笑わずにいられますかっ！ってなもんである。

その翌週・・・。

またもや、私は幸運なことに、コカコーラのお兄さんに発見され、検品することに。

今回は、ものすごく引っかかったりはしなかったのだが・・・。

伝票は、お店控え用と、業者さんが持って帰る分と二枚あるのだが、私はページを二枚めくったつもりが、同じページを二度！読んでいたのである！

「あれ？？そのページ、前と同じ・・・じゃないですか？」

と、コカコーラボトルズ兄さまに指摘され・・・。

「あらあ～！ほんとだ！ごめんなさいねえ～～！」

プラットホームで荷物を積みながら、これを聞いていた桃木車副店長も、ぷっと吹き出して　ウケテいた！

　　　　　　　

検品終了後、バックへ行くと・・・。

コカコーラ兄さまと　すれ違ったカトちゃんに発見されてしまった。

「今回は、すらすら読めましたか？」

「いいえ。見事に・・・ひっかかりましたっ！」

以上、報告おわり！

「やっぱりネエ・・・。私はイングリッシュの方が得意だから・・・」

言い訳・・・虚しい　すずの検品修行の日々は今後も続く・・・かな？

 
 　鈴木鈴子