塩野七生さんの著書の中では、「ローマ人の物語」全43巻は勿論のこと、(過去に感想を書いております✒)ヴェネツィァ共和国について書いた、『海の都の物語』が最も魅力的で、大好きです。
そんな大好きな歴史家&作家である塩野さんが愛した友、マキァヴェッリ(もちろん、歴史上の人物の中で、という意味ですが)。ノン・キャリア外交官の職を解かれ、追放された先で暮らすマキァヴェッリが、夜になると外交官の服装に着替え、歴史上の偉人たちと会話をしているような瞑想をする... そんな場面が紹介されます。これなんて、きっと、塩野七生さん、ご自身がされていることではなかかろうか?と、こちらの想像も膨らみます。わが友...と呼び掛けながら...。もしも、マキァヴェッリが失脚しなければ、『君主論』は書かれなかったでしょう! 世の中...彼の時代のみならず、ずっと後の世を生きる者にとっても、何が吉と出るかなんて、ほんと分からないものです。
1巻は、マキァヴェッリが生まれる前から20歳になった頃までのフィレンツェの歴史について、塩野さんが紹介しています。花の都フィレンツェの、国を挙げてのイベントやこの事件、あの事件、これらが起こった時、マキァヴェッリはどうしていたのか? まだ子供だったマキァヴェッリは、実際に父親と見ただろうか、少年だったマキァヴェッリはどう感じただろうか... 塩野さんの、いつもの考察というよりは、愛情も含んだ語りは続きます。
ダ・ビンチやミケランジェロも、この時代のフィレンツェ人なんですよねぇ。遂ついイタリア人と一くくりにしてしまいがちですが。
ちなみにマルコポーロはヴェネツィア人。
ルネサンス時代のフィレンツェ。海の都、ヴェネツィアにどうしても肩入れしたくなる私ではありますが、この時期のフィレンツェのことも、知っておかねば...と著書を読み始めました。政教分離がなされ、外交で渡り合うヴェネツィアとは違うフィレンツェは、指導者亡き後、必要以上にフランスのシャルル王子に肩入れしたことで、存亡も危うくなります。
マキァヴェッリがノン・キャリア外交官として、(...とはいえ実際は官房副長官くらいの役職だったらしいですが)新たなスタート地点に今、まさに立とうとしていた29歳の場面から2巻は描かれています。
実は今、2巻の途中を読んでいるところなのです。
3巻まで読み終えた後も、この続きは、敢えて書かないことにしましょう~✒
明日も読書予定です。とうとう最後の休日!