日々のあれこれ

現在は仕事に関わること以外の日々の「あれこれ」を綴っております♪
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よしもとばなな:著 「イルカ」

2017-09-13 00:46:29 | 読書

 比較的最近発売…とはいえ、すでに何年も前ではありますが… 

まだ読んだことがない よしもとばななさんの本を 「見つけた!」と思い、早速、読んでみました。

 アパートで独り暮らしの主人公がインフルエンザにかかり、たった一人の妹がすき焼きの材料を買って看病にやってくる場面から物語が始まります。病気だと食欲が落ち、何も食べられない… それなのに すき焼きかぁ…と思いました(笑) 妹の看病は何年も経験ある自分も、妹に看病してもらったことはありません。大きな病気になったことがないからですが、インフルエンザには、それとは知らず、海外のアパート暮らしの最中、かかってしまった経験あり。普段は日本の家族のことは、ほぼ忘れているのに、病気で寝込むと思い出すのは、「おかあさーん!助けてー!」です。最初は自分でおやゆを作っていた私も、3日目になると、徒歩20分先にあるスーパーで、まとめ買いした豆腐(シドニーのスーパーには、販売しているんですよ。メイドイン オーストラリアのお豆腐!)それを湯豆腐にして朝夕、やっと食べていました。 完治後、日本の母には電話で、「こうだった、ああだった」と話ましたっけ…。自分にとっても、実にリアリティある内容! 最初から惹きこまれます!

 妹が看病に来たから、どうって… 買って来る食材からも想像できますが、とても頼りになるという訳では実際ない。でも、家族がいて、家の中をウロウロ歩いている、そんな人の気配を感じる安心感。 心も身体も弱っているからこそ、有難い血のつながった身内の有難さ。分かります。 下宿中には、ホストファミリーがおろおろしながら、「日本の家族に知らせた方がいいんじゃないかと思って。電話したいんだけど、英語では通じないだろうし…」そんな話声も、自分の部屋の外から聴こえてきたこと。結局、その時も、「完治したら、連絡する。だって日本にいる家族に知らせたところで、何かできるわけでもないし。心配するだけだし」 そういいつつも、(死ぬときは日本で死にたい。今の自分は飛行機に乗る気力もない) そんな風に思ったな…と。

 さて、”心身ともに弱っている”主人公。回復していく過程が 自分にとっては、二度目の時と多少は似ている…すなわち、心身共に ”浄化”されたような感覚? 

 途中、燻製が出て来たり、それが人間にとって身近な生き物だったり…と、とても平常心では読み進められないような恐怖感! よしもとばななも、とうとうホラー小説に手を出したか…!? と、思いました。 違うんですけどね…。40歳前後、いわゆる around 40....アラフォーになったからこそ、(自分はアラフィフですが!)分かる! 理解できる小説でした。 もし、20歳前後で読んでいたら、全く理解出来なかったでしょうし、20代後半になっても、「そういう生き方があることも、認めはするけど、理解はできない」と恐らく思ったことでしょう。

 

 著者が出産を経験し、母になった後、誕生した小説ですから。作家と共に年齢を重ねる読者たち。戦争と平和のような文学を読むことも勿論、楽しいですが、同時代を生きている作者と読者体験も、また良いものだなぁ~と思います。Let's talk more about it when we actually meet each other!

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