日々のあれこれ

現在は仕事に関わること以外の日々の「あれこれ」を綴っております♪
ここ数年は 主に楽器演奏🎹🎻🎸と読書📚

消えた記事

2011-08-31 10:18:36 | 読書

 何の予告もなく突然の『メンテナンス』深夜1時から開始になったと、記事投稿ボタンを1時45分に押した直後に現れた、「只今メンテナンスを・・・」で分かった。こんな時に限って長文、面白く書けた、と思い、しかも23時半に書き始め一気に書きあげたもんだから、保存さえしていなかったと後になって気付く。 あ~恨めしい。昨夜ほどには もう書けない。書けないけれど、このままにしておくのは更に悔しい。だから昨日無駄にしてしまった貴重な時間を取り戻すことが出来ずとも、せめて読んだ本の記憶は留めておきたいので、再びトライ☆ オリジナルより かなり短くなりそう~だけどね。はぁ。。。

 家族介護は経験した人にしか分からない。 そりゃそーだ。 周囲は分かったようなことを言うけれど、「えぇ、そうですね」とにこやかでいられるのも最初の数カ月だけだろう。 アドバイスのつもりで親切に言って下さっているのだと 頭で理解してはいても、次第に (うるさい! 分かったようなこと言って。 外に向けて言えない事の方が遥かに多いの。何が分かるっていうのよ) となる。

 同じ著者による 介護日誌を読みながら、最初に著者に共感したことは、これだった。 「そうそう! 」 介護って、高齢者だけが対象となる訳でもない。途中で事故にあい、寝たきり状態になることだってある。 若い家族が介護される側になることだってある。 うちの両親はまだ若いし、そろそろ老後のことも考えなきゃいけないけれど、まだ、二人とも50代後半と60歳になったばかり。大丈夫だよねぇ…なんて日本から遠く離れた海外で暮らす私が今から10年前に思っていた矢先、家族に異変が起きた。 31歳にして初めて向き合う長期間に渡る「家族介護」の始まりだった。 こころある家族だけが、取りあえず自分の生活の営みを中断して跳んで帰ってくる。たまたま独身だから出来た訳じゃない。 我が子がいなかったから子育てできたんじゃない。 神戸の震災で家も全壊した年老いた母親が仮設住宅で暮らし、2年後、出て行かなきゃいけないんだけど、長女は海外で長期間暮していて、(独身だけど)日本へは戻ってこれない、生活があるから。近くに住む次女は時々、差し入れを持ってきてくれるけれど、一緒に暮すのは難しい」と話しているお婆ちゃんがいた。 その時、丁度、周囲の何気ない言葉に過剰に反応してしまう傾向にあるな、これじゃいけない、と思いつつも (ほらね…)と思った。 独身でも たった一人、生き残った母親がいても、帰国しないでしょ? 独身なら何も犠牲にしていない訳じゃないよ、と呟いた。 そのくらい当時、精神的にまいってしまっていたのだ。 外へ発散することが無い分ね。 今も上手くいっている訳ではない。 避ける、という形は 子供にとっての たくさんのセーフティネットを遮断されるに等しい。 何か合った時、守ってくれる親、それがダメなら祖父母、先生、親戚の人、近所のおばちゃん…子供を守る受け皿は多いほどいい。 救われるから。 それを大人が遮るなんてもってのほかだ。 これは老人介護にも、しょうがいを負ってしまった場合にも 「家族介護」においても あてはまる。 なるべく内へこもらず多くの人に 困っている、といえる精神状態でいたい。 介護する側も される側も 両方が救われるから。 過度に頼るのは宜しくないけれどね。 実際、ここが難しいのだがー。

 先日、読み終えたのは、2冊の本。 いずれも同じ著者による 実の母を家庭で看ている介護日誌である。 「死ねー くそババあ~」 「バカ!」みたいな過激な表現が頻繁に出てくる。 この実の母親から虐待を受けて育った著者が、今度は年老いた母親を介護する側になる。 罵声を浴びせる、放置放任といった老人虐待も実際に起こっている世の中、実際に著者が本の中に出てくる「くそババア」的なことを思っても、口に出して言ってはいないんだろうけど、よく ここまで書けたなぁ、だって、本になって出版され、有名な著者だから、取材もくるし、全国の書店に並ぶんだよ~と感心してしまった。 最も興味深いのは、スゥエ―デンやオーストラリアといった福祉国家と、福祉が極端に遅れた日本を度々比較している点だ。 例えばね、日本は死別の場合のみ支払われる遺族年金。 オーストラリアの場合、未婚の母だろうが、離婚だろうが、平等に支払われる。 母親の仕事は子供を育てること! だから支給は当然という考え方。 死別か、離婚か、未婚か、で 子供を差別するなんてことはしないのだ。 母子家庭が貧しく、食べるのも精いっぱいという日本とは大きな違い。 北欧では、介護も政府が責任を負っている。 あちらの国ではグループホームも施設も充実していることは、日本でも知られているが、それでもあえて、高齢者の家族が仕事を辞め、自宅で介護をしたいとなった場合は、フルタイムで働いていた頃とほぼ同じ収入を受け取れるらしい。 これがない日本は、著者によれば、家族介護の促進を勧めている政府は 女性に介護を押しつけ、税金をその分 浮かせているんだそうだ。 女性が家族介護の犠牲になるのは、けしからん! と怒りまくり、 講演でも声高らかに叫んでいるらしい。 それでも講演の後、 「でもね、私、親を数年 介護してきましたが、老婆から学ぶことが多くて介護も喜びに…」という人が現れるらしい。 そりゃ、そうでしょう。 その方はきっと人間が出来ているんだ。 私も そう思える時期と、そうとは思えず行き場のない怒りを覚える時とが交互にやってくるもん。 家族介護って、そういうもんよ!と 心の中で呟きながら読み進めると、「こんな女は政府に騙されたお人よしのバカだ!」と 著者は叫ぶ。 一瞬、ドキッとする。 だってこれ、まぎれもなく自分に当てはまるじゃん! もうひとつ、バカといえば、週3回、著者の自宅へやってくるヘルパーさんについても著者は触れている。 ガサツで がはは的な50代と60代のヘルパーさんは 著者に年齢も近く、性格も似ているらしく、褒めている。 3人目の40代の若いヘルパーさん(著者よりは若いってことよね?)は、「ワガババ」を奉り候なのだそうだ。 何をしても、「こんなことがお出来になるなんて、素晴らしいわ!」 と感激しているらしい。 しかもお世辞ではなく心から言ってるらしいのは、目をみれば分かるから厄介なんだと。 ここでもドキッとする。しかし、これは分かる。 日々、利用者さんと接している私は、トイレ誘導する度に、トイレという個室の中で98歳のおばあちゃまに言われる。

 「実の娘や息子よりもよくして頂いて。 ここは皆さん、職員さんが優しいから、家にいるよりいいのよねぇ」 

年寄りがすることに、家族は目くじら立てなくても。 このおとしで、ここまで何でも出来て、頭もしっかりしていて、お喋り上手で、歩行には付き添いがいるけれど、車椅子もいらない、自分で歩行できて、トイレで用もたせて、言うことないんだから、もっと家族は優しくしてあげたらいいのに…と思う。 でも、それは私が赤の他人だから。 スタッフだから。 身内となれば、些細なことも 「もう~っ!」となる。 だから 北欧のように介護は介護の専門にまかせ、家族は一歩、引いた所に居た方が良い面もある、ともいえる。 著者がいうことも分かる。 40代のヘルパーさんの方がむしろ、一般的な介護士(まともな施設の場合、そうでない場所もあるし、実際に目にした)だろう。 利用者さんだって、家族には我儘も言うだろうし、施設へ出向けば よそいきの利用者さんの顔になるでしょうから。 まだ、外と内の区別が出来ている証拠で、社会参加出来ている訳だから、 職員に対する態度と家族に対する態度が違うというのは、実は良いことなんだそうだ。 (←うちの上司の話) そういわれれば、そうだよな、と私も思う。

 通所施設であれば、まだ、我が家に帰ることが出来るが、入居施設では、住み慣れた場所に帰れない。 出来る限り、ヘルパーさん、通所施設を利用しながら、 家族も本人も無理する場面を少なくし、現状維持できれば良いのよね。

 介護なんて、まだ先だと思っている方も。 実際に直面中の方も。 今日、ご紹介した本のタイトルは、こちらです。

 門野 晴子 著 : 

『寝たきり婆あ猛語録』

『ワガババ介護日誌』 

1990年代に書かれた本でありながら、直面している諸問題は今も変わらず。 ちなみに著者の娘さんは、(つまり、ワガババさんの孫さんですね) 28歳で介護福祉士の専門学校を卒業後、アメリカへ語学留学。 その間に知り会った40代アメリカ人と国際結婚したそうだ。 その辺も著書で面白く書かれているので、介護に関心が無い方でも、エッセイとして楽しく読めます。ちょっと言葉遣いが悪いですが…50代~60代の、いわゆる強い女を思い浮かべ、読んでみて下さいな。

あ~やっと書けた! 消えた記事。 疲れたよ~。 今日が休みで良かった。 家族介護の個人的経験と、介護士としての職場で利用者さんと日々接する時の体験を重ね合わせながら読む 生の声そのまんまエッセイ的な著書は、結構、刺激的でしたよ。 ご一読の価値あり、かも? 明日から仕事は5連勤。 → 英語、介護、介護、介護、介護。

小説も書きたい材料、溜まってる。 編集もそろそろ始まる。 さー頑張るぞ―!

すず

 

 

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