健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

虐待による脳萎縮

2013-01-16 08:30:01 | 研究
子どものころ長期にわたり強い体罰を受けた人は、受けていない人より脳の前頭葉の一部が最大で約19%縮んでいるという研究結果が発表されました(朝日新聞デジタル)。研究は米国で、4~15歳のころに平手打ちされたり、むちで尻をたたかれたりするなどの体罰を年12回以上、3年以上にわたって受けた米国人の男女23人を対象に実施したものだそうです。磁気共鳴断層撮影装置(MRI)で脳の断面図を解析したところ、体罰を受けず育った同年代の22人に比べ、感情や意欲の動きにかかわる前頭前野内側部が平均19.1%、集中力や注意力にかかわる前帯状回が16.9%、認知機能にかかわる前頭前野背外側部が14.5%小さかったというもの。小児期に過度の体罰を受けると行為障害や抑うつなどの精神症状を引き起こすことは知られていますが、脳への影響は解明されていなかったそうです。今回の研究で脳の萎縮がみられた人については、体罰でストレス下に置かれた脳が、前頭葉の発達を止めたと考えられるそうです。恐ろしい結果ですね。
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