健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

ヒトの脳の組織を作った!

2013-09-03 08:30:40 | 研究
体のさまざまな組織になるiPS細胞とES細胞から、大きさが最大で4ミリほどのヒトの脳の組織を作り出すことに、イギリスなどの研究グループが成功したそうです(NHK NEWS WEB)。イギリスとオーストリアの研究グループは、さまざまな組織になるヒトのiPS細胞とES細胞を、それぞれ神経の元となる細胞に変化させたあと、ゼリー状の物質の中に入れ4日間、培養。そして、別の容器に移して培養液と一緒にゆっくりとかき混ぜる作業を続けたところ、それぞれ脳の組織が形づくられ2か月後には、最大で4ミリほどの大きさにまで成長したというのです。出来た脳の組織は、ヒトの大脳皮質のように神経細胞の層が重なり、記憶をつかさどる海馬の細胞や目の網膜の組織も含まれていたそうです。また、脳が生まれつき小さい「小頭症」の患者からiPS細胞を作り出し、同じように脳の組織にしたところ病気の状態を再現することができたそうです。ヒトの脳の病気は、マウスなどの動物では症状を再現することが難しく、脳の病気の解明を進めるうえで障害となっていたそうです。そのため、人工的に脳の組織を作れるようになったことで、病気の解明や脳が形づくられるメカニズムの研究に大きく役立つということです。
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