健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

別々の物事を区別して記憶する神経細胞群の発見

2014-02-02 08:30:07 | 研究
脳内で記憶をつかさどる「海馬」へ、信号を整理して送る重要な神経細胞群が発見されたそうです(YOMIURI ONLINE)。研究では、まず細胞群が普通より活発に働くマウスと、逆にあまり働かないマウスを遺伝子操作で作製し、ある音を聞かせた20秒後、足に不愉快な電気刺激を与える実験を、いずれのマウスにも3回ずつ繰り返したそうです。そしてその翌日、今度は電気刺激なしで音だけを3回聞かせたところ、細胞群が働かないマウスの方だけがおびえたそうです。したがって、細胞群は「音」と「電気刺激」を区別して記憶できるように働いたと考えられるというのです。この細胞群は半球のような形をしているそうで、「アイランド・セル(島細胞)」と名付けられたそうです。マウスで実験した成果ですが、人間にも似た形の細胞群があり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)やアルツハイマー病など、記憶に関連する障害に関係がありそうだと考えられるようです。PTSDでは、(事件と風景、音など)別々の物事の記憶が結びついて、障害をもたらしていると言われているそうで、この細胞群の研究が進めば、治療につながるかもしれないということです。
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