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豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

研究を考える(その1)相関関係と因果関係

2014-08-30 08:30:11 | 研究
研究により得られた結果をどのように分析するか。本来は、仮説を立証するために研究するのですから、得られた結果はその仮説を立証できるもののはずですので悩む必要はありません。つまり、予め結果に対する分析方法を含めて計画が練られているはずだからです。しかし、しばしは少し疑問に思うような解析方法に出くわすことがあります。まずは、相関関係の分析について考えてみたいと思います。
2つ要素が結果として得られた場合の分析方法として、両要素間が相関関係にあるかどうかを調べるというのをよく見かけます。ここで注意したいのは、相関関係があるということと因果関係があるということは明確に区別すべきであるということです。つまり、相関関係にあったからと言って因果関係
があるとは限らないということです。

以下のような2つの仮説を例に考えてみましょう。

仮説1
「リハビリテーション部の成績を上げるには研修に参加する」
この仮説は、「研修への参加」と「リハビリテーション部の成績」の間に因果関係があるというものです。
つまり、両因子間の因果関係を検証することになります。
ですので、この仮説を検証するには
⇒①実際に研修に参加して、リハ成績を評価する
⇒②研修に参加した人のリハ成績を評価する
仮説が今一つ曖昧なので、検証方法が複数になってしまいますが、仮説が成立するか否かについて、いくつか検証する方法があることがわかります。

仮説2
「リハビリテーション部の成績を上げるには、リハビリテーション開始前にリハビリテーションの神様にお祈りをする」
この仮説は「御先祖様にお祈りをする」ことと「リハビリテーション部の成績」の間に因果関係があるというものです。
同様に、両因子間の因果関係を検証することになります。
ですので、この仮説を検証するには
⇒・・・・・
 現代の科学では無理ですね
 なぜなら、そもそもリハビリテーションの神様の存在を証明できないからです

でも・・・・・
毎日、リハビリテーションの神様にお祈りしたら、リハビリテーションの成績が上がることもあるでしょう。この時、お祈りした人数や日数を調査し、一方でリハ成績を調べて、両者の相関関係を調べてみたら、有意な相関関係が認められることもありうるのです。
  
ですが、これは偶然に生じた単なる相関関係に過ぎないということに注しなければなりません。なぜなら、証明できないからです。また、再現性や普遍性もないでしょう。

これは極端な例ですので、実際にはあり得ない話ですが、相関関係を統計処理して有意差が出たものを因果関係と取り違えている場合があるのは事実です。
もちろん、相関関係が因果関係を示す場合もあるでしょう。ですが、相関関係では因果関係は証明できません。因果関係を証明するには、何らかの別の手法を用いる必要があるはずです。
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